家元指導方針
●家元指導方針
家元は、淡交会会員及び同門へ向けて指導方針を示されます。
この指導方針は、裏千家茶道を学び修ずるための基本として、茶道を充分に認識し実践するための方策となるものです。会員の皆さんは、指導方針を心の糧とし、人づくりと後継者の育成、学・実の振興、青年の中でのリーダーシップなど、多方面にわたりその持てる力を発揮されるよう、心がけてください。
●道・学・実
茶道の実践にあたっては、「道・学・実」の三位一体による修行が提唱されています。「道」は精神的な修養、「学」は茶道に関するあらゆる学問、「実」はお点前を行うこと、といわれますが、それほど単純なものではありません。修道とは、第一義的に、点前の修練を通じて、学を究め、道の修得へと高めていくものなのです。
道
茶禅一味」といわれるように、茶を修得し”道“を求めてゆけば、自ずと禅の根幹へと通じます。茶道の本質を見極めることはすなわち、禅にいう悟りを目標として研鑽を積む修行態度に重なるものなのです。珠光は一休禅師に、利休居士は大林、笑嶺、春屋、古溪らの禅師に、さらに歴代宗匠も参禅してその蘊奥を究められていることは、その心を自ら実践されていることに他なりません。
学
学ぶとは、「まね踏む」ということ。先人の後をなぞり踏みしめてゆくことで自己の知識を重ねていくのですが、ただ頭で得た知識はいわば”借りもの“、学びとった知識は実践して初めて体得したといえます。本を読み、言葉での知識を得てもそれだけのこと。百回でも二百回でも繰り返し棗をふき自分が満足するまでに至ってこそ、お茶に対する悟りといえるのです。茶道の内奥への探究は、真摯に学び体得しましょう。
実
道・学をふまえた上で、茶道を実践することによって初めて茶の本質に触れることができるといわれます。「実」とは実践。単に手順通りきれいなお点前をすることに止まらず、お点前にかかわるあらゆることが実践を意味します。たとえば茶事において、時と場所が違えば自ずと茶事も変化するものです。その時、相手の立場に立って仕え合い、心尽くした茶事を催す。そうした様々な実践を重ねて、道・学・実の修練に励みましょう。