茶事ちゃじや茶会に客を招く際、楽しんでもらえるようにあれこれと思いを巡らせます。人を楽しませることは、簡単なようで案外と難しいものです。いろいろ準備したもので、招いた者(亭主ていしゅ)と招かれた客の心が通い合うと、とても心地のよい空間が生まれます。このことを茶道において「一座建立いちざこんりゅう」という言葉で表現します。また、「一期一会いちごいちえ」という言葉があります。一期いちごは一生、一会いちえはただ一度の出会いを表します。稽古でも茶会でも、日常においてもその瞬間は二度と巡り会えないものであるという教えです。
 亭主も客も相手を思いやる気持ちが何より大切です。そのような気持ちを持って、まずは楽しく一服いっぷくのお茶を楽しむことが良いかと思います。