今月のことば
渓を成す
千 宗室
淡交タイムス 4月号 巻頭言より
新型コロナウイルスが5類に引き下げられて久しくなり、私たちの生活は一時期のような切迫感に包まれたものから変化してまいりました。宗家の諸行事も少しずつ昔の姿に近づき、先日の冬期講習会には若干の人数制限など予防策を講じながらも以前に近い形で多くの社中方を迎えることができました。
その開講式で「
「桃李」は桃や
咲いては散る。それを繰り返しながら花は年月をかけて自分の香りを漂わせるように進化していきます。誰も訪れることのない
私たち一人ずつが、いわば桃李の木です。花をつけたばかりの枝もあれば、ようやく香りを湛えるようになった木もあるでしょう。いずれにせよ、その状態をより良いものにしていこうと日々研鑽することが大切です。慌てずに時間をかけて自分を膨らませていくうちに、学ぶべきいろいろなものが自然とやってくるようになると思っております。