今月のことば
父との別れ
千 宗室
淡交タイムス1月号 巻頭言より
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年十一月末、鵬雲斎宗匠の百箇日法要の後、「お別れの会」を執り行わせていただきました。大勢の方にお越しいただき、ありがたく思っております。無事に終えて本人もきっと満足しているだろうと思います。
「お別れの会」は、私にとりましても一つの区切りとなりました。これまでの人生の中で大きな節目がいくつかありましたが、今回は立ち止まって振り返る時間が一番長かったかもしれません。忙しい日々を過ごすうちに記憶の中からこぼれ落ちていたものも出てまいりました。それらを拾いながら、これからのことを考える大切な時間になりました。
喪中ということで、社中の皆さん方には旧年中いろいろとご苦労をおかけしました。私どもが懸釜に招かれたときには、道具の取り合わせから菓子の銘に至るまでこまやかにお気遣いをいただき感謝しております。
新しい年を迎えるにあたり、昨年に続いて稽古始めという形で初釜を執り行うことと相成りました。一周忌を待たずして日常に戻ろうとすることに迷いもあります。しかし、喪に服し続けることは皆さん方にも負担をかけることになるでしょう。そして何より、父は縁起の良いことを好む人でしたので、一周忌に向けて少しずつ喪の色を薄め、普段どおりに戻っていくことを本人も望んでいると思います。
先代が存命中、社中の皆さん方には本当に長い間いろいろとお世話になりありがとうございました。改めて感謝申し上げます。
本年も引き続き、皆さんと共に茶の湯の道を歩んでいければと願っております。