第53回学校茶道指導者研修会・第43回学校茶道担当者講習会 合同研修会

学校茶道

研修テーマ「今に適したお稽古の充実を」
― 子供たちに寄り添う学校茶道を目指して ―

 令和5年7月22日(土)、23日(日)の2日間、宗家・京都東急ホテルを会場に開催、淡交会各学校茶道連絡協議会の会員106名、全国の裏千家茶道採用校の教職員7名の計113名が受講しました。
 学校茶道合同研修会は茶道指導者と学校関係者の相互理解を促進するとともに、学校教育における茶道の役割や可能性を考える機会として開催しています。 

7月22日(土)
<開講式>
 午前10時30分からの開講式で挨拶に立たれた千 宗室家元は、日頃の学校茶道への取り組みに謝意を示されるとともに「学校茶道の現場では様々なご苦労があると思います。指導者の皆様には、子どもたちの気持ちが一瞬でもこちらに向くような言葉の使い方を心掛けてください。一人ひとりの気持ちが集約された時、教室全体に学ぶという絵が出来上がります」と話されました。

<分科会Ⅰ>
 受講者は学校種ごとに8グループに分かれ、アドバイザーの進行のもと、自己紹介をはじめ互いの指導校の現状などを語り合いました。

アドバイザー
◆大学・各種専門学校 船生宗敏氏(元東日本国際大学教授、淡交会東北学校茶道連絡協議会委員長、いわき支部副幹事長)
◆高等学校A 吉田宗石氏(前プール学院理事長兼中学校・高等学校校長、淡交会東京第六西支部副支部長)
◆高等学校B 永野宗隆氏(高知県教育委員、高知学園高知中学高等学校校長、淡交会高知支部)
◆高等学校C 名取宗康氏(敬愛大学八日市場高等学校副校長、淡交会参事補、千葉県支部副幹事長)
◆中学校 波佐間宗清氏(元下関市教育委員会教育長、淡交会参事、西中国地区地区委員長、下関支部副支部長)
◆小学校A 伊﨑宗一氏(関西福祉大学教育学部教授、淡交会神戸第二支部)
◆小学校B 梶川宗尚氏(淡交会川崎支部副幹事長)
◆幼稚園・保育所(園)・こども園 辻 宗治氏(淡交会参事補、岐阜支部副幹事長)

大学・各種専門学校
高等学校A
高等学校B
高等学校C
中学校
小学校A
小学校B
幼稚園・保育所(園)・こども園

<呈茶・点前の指導方法と解説>
 平成茶室「聴風の間」にて業躰部による一碗が呈され、涼やかなひと時を楽しみました。引き続き、裏千家学園3階では中村宗石今日庵業躰が「指導者のための点前の指導方法と解説」として子どもたちに指導する際のポイントを解説、受講者からは日々の稽古での注意事項などについて質問がありました。

<懇親夕食会>
 午後5時30分から懇親夕食会を開催。長谷川義翁淡交会常任理事・総本部事務局長の挨拶に続いて、アドバイザーの辻 宗治氏の発声で乾杯。学校種ごとにテーブルを囲み和やかに懇親が深められました。
  アドバイザーの船生宗敏氏の中締めの挨拶で締めくくられました。

乾杯の発声
中締め挨拶

7月23日(日)
<分科会Ⅱ>
 初日に続いて学校種ごとに分科会を開催。前日の内容を踏まえ、より踏み込んだ情報交換の場となりました。

<全体会>
 アドバイザーの永野宗隆氏の進行により、分科会の内容を各グループの代表8名が発表。最後にアドバイザーの波佐間宗清氏による総括がありました。

各分科会代表による発表

総括

<閉講式>
 閉講式では、長谷川常任理事より、学校茶道指導者研修会の受講者を代表して野島宗恵氏(石川支部幹事長)、また、学校茶道担当者講習会の受講者を代表して上原宗代氏(徳島県阿南市立橘小学校校長)にそれぞれ修了証が授与されました。
 続いて、主催者を代表して長谷川常任理事より挨拶があり、その後、井内宗忍氏(東海学校茶道連絡協議会委員長)が受講者を代表して謝辞を述べ、2日間に亘る研修会を終了しました。

事前配信
<講義>吉田宗石氏(前プール学院理事長兼中学校・高等学校校長、淡交会東京第六西支部副支部長)
 茶道教育を基にした、生徒・保護者・教職員・地域が一体となった学校づくりの実践例から学校茶道が果たす役割を講義。
 受講者は、学校の教育目的に沿った指導内容を構築する事の重要性を学ぶ機会となりました。

<事例発表>幾島宗勝氏(淡交会参事補・釧路支部参与)・髙玉宗穂氏(釧路支部副幹事長・釧路学校茶道連絡協議会委員長)北海道教育大学釧路校指導者
 コロナ禍での活動をはじめ、学校茶道エッセイ応募や学生セミナー受講等を通して、学生の行動が成果として結び付いた経験を発表。
 また、学校教員への謝恩茶会の実施や、淡交会釧路青年部との連携を図っている事例を学生自ら紹介しました。