茶と歌 -歌に託された茶の心-
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茶の湯の大成者・千利休は、藤原家隆の歌「花をのみ待つらむ人に山里の雪間の草の春をみせばや」に茶の心を見出したと伝わります。また、利休の師の一人に数えられる武野紹鷗は元々連歌の道を志した人物でした。その後、茶の湯を修めた紹鷗は、初めて和歌を掛物として用いた人物とされますが、歌の美意識を茶の湯に応用することで独自の美学を生み出しました。茶の湯における「わび」や「冷え枯れる」といった美意識は歌論の美学を継承し、発展したものと考えられています。 このように、茶の湯文化と歌の文化はきわめて関わり深いものがあります。また、当時の流行や世相、点前や手続きを歌に託して詠んだ作品も少なくありません。本展では「歌」と「茶の湯」をテーマに掲げ、裏千家歴代による詩歌や、一般的に「利休百首」と称される利休道歌の成立と展開までを取り上げます。さらに、歌銘が付された茶道具や文房具なども展示し、歌に託された茶の湯の世界をご覧いただきます。
![]() 葵文字文鏡笥形硯箱
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![]() 法護普須磨 四幅の内一幅
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![]() 利休居士百首歌留多 鷲山宗宙好 |
![]() 句入茶碗 6代坂東蓑助句
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![]() 和歌浦大棗 裏千家14代無限斎好
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![]() 梅の木金輪寺茶器 歌入「けしきととのふ」
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![]() 竹茶杓 歌銘 「茶の湯には」
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![]() 『烏鼠集四巻書』 今日庵文庫蔵 |