ごあいさつ

茶道裏千家家元
千 宗室

昭和31年、京都府生まれ。臨済宗大徳寺管長・僧堂師家 中村祖順老師のもとで参禅得度、斎号『坐忘斎』を受く。祖順老師没後、妙心寺盛永宗興老師のもとで参禅。平成14年12月鵬雲斎家元の跡を継ぎ、裏千家家元となり今日庵庵主として宗室を襲名。
現在、一般財団法人今日庵理事長、一般社団法人茶道裏千家淡交会会長。

昭和31年、京都府生まれ。臨済宗大徳寺管長・僧堂師家 中村祖順老師のもとで参禅得度、斎号『坐忘斎』を受く。祖順老師没後、妙心寺盛永宗興老師のもとで参禅。平成14年12月鵬雲斎家元の跡を継ぎ、裏千家家元となり今日庵庵主として宗室を襲名。
現在、一般財団法人今日庵理事長、一般社団法人茶道裏千家淡交会会長。

 茶の湯はたいへん間口の広い文化です。机に例えれば「引き出し」が多く、多彩な楽しみが詰まっています。
 まず、お茶を点てて味わうということがあります。
 菓子や料理に込めるもてなしの心や、花を入れ、炭を継ぎ、香を炷(た)く工夫があります。
 禅との関わりや、書画、陶芸や釜などの鋳物、漆芸といった工芸の数々。
 数寄屋建築、造園、礼法もあります。
 二十四節気など季節の移ろいを身近に楽しむ場もあります。
 それらを踏まえて、私は茶道は日本文化のポータルサイトだと考えています。
 「和敬清寂(わけいせいじゃく)」の語で示される千利休居士の茶の湯の根本は今日に至るまで不変です。しかし、それはいたずらに古いかたちを踏襲しているだけではありません。各時代に生きる人々が「そのときの今」に適う茶の湯のすがたを模索してきた証しです。
 茶の湯の根本には「一期一会」の精神が流れています。それは、利休居士がお茶というものに対処していく姿にこの思いがにじみ出ており、それを受け取った後の世を生きていく人たちの間で、茶の湯に欠かせぬ精神の一つであると心から心へと伝えられてきたからです。これは「一生に一度の出会いだと思って、覚悟を持ってその場に臨むように」と説明されることが多いため、とても重い言葉と思われるかもしれません。しかし実際には、出会うもの・触れるもの・聞くもの・見るもの・感じるものすべてを、そのときそのとき素直に受け入れる心があれば、特別な覚悟はなくとも、私たちは「一期一会というサイクル」の中で日々を送っていくことができるわけです。

 裏千家ホームページは、日本の心である茶道とは何かを求めて訪れる方々にいつでも多くの情報をお伝えできるよう準備しているつもりです。
 アクセスしていただいた方々のお一人お一人に茶道を身近に感じていただければと願っております。