平成22年 秋季特別展

東京国立博物館蔵 広田不孤斎コレクション
「茶の湯の名品」

  広田不孤斎コレクションとは、広田不孤斎(松繁)氏(1897-1973)が収集し、3回にわたって東京国立博物館に寄贈された496件の古美術です。
広田氏は富山県八尾町(現富山市)に生まれ、早くから古美術商で修行を重ね、大正13年、27歳にして西山南天子氏とともに古美術商店「壺中居」を設立しています。
広田氏が扱った作品は中国古陶磁が中心で、日本国内はもちろん、中国へも美術品を求めて度々渡航していたようです。当時、中国では清王朝が倒れ、古美術品が欧米などに流出した時期です。また日本では研究者や愛好家たちが集い、新しい視野のもとに研究や鑑賞の対象として中国古陶磁が注目された時期でもあります。広田氏は古美術商としてこうした時代を担った人物の一人です。
広田氏は厳しく研ぎ澄まされた鑑識眼をもって多くの名品を扱い、重要なコレクションの形成にも関わっています。隠居後は鎌倉に住まいし、自邸に広間と小間の茶室を設けて茶の湯に親しんでいたようです。
東京国立博物館への寄贈品には、墨跡や古筆、あるいは水指、茶碗、茶杓、棗、さらに懐石道具に至るまで各種の名品が含まれています。それらの茶道具は伝来・由来に頼ったものではなく、広田氏らしい鑑識眼が貫かれています。
この度茶道資料館では東京国立博物館蔵の広田コレクションの中から104点の茶道具を紹介いたします。
*会期中陳列替えをいたします。

 
会記   平成22年6月19日(土)~9月26日(日)
開館時間    午前 9 時 30 分~午後 4 時 30 分(入館は午後 4 時まで)
休館日   月曜日(7月5日、7月19日、9月20日は開館)
夏季休館(8月2日~6日)
入館料   一般:800円、大学生:500円、高中生:300円
茶道資料館友の会特別会員 無料、茶道資料館友の会正会員 400円
小学生以下・メンバーシップ校は無料
呈茶   展示期間中、入館者には呈茶があり、展示を鑑賞した後には抹茶を一服楽しむことができます。(10時~16時。団体の場合は要電話予約)

[主な展示作品]
 禅院牌字断簡「湯」無準師範筆 南宋時代
二大字「的胤」楚石梵琦筆 元時代
重要文化財 信楽一重口水指 銘柴庵 桃山時代
耳付水指 銘龍田川 安土桃山-江戸時代
豆彩束蓮文水指「大清雍正年製」銘 清時代
枝垂桜蒔絵棗 江戸時代
紙胎菊花形茶器 江戸時代
大井戸茶碗「佐野井戸」
黒楽茶碗 銘末広 長次郎 安土桃山-江戸時代
黒楽茶碗 銘かのこ斑 樂一入作 江戸時代
信楽不二文茶碗 「空中」彫銘 本阿弥光甫作 江戸時代
彫三島茶碗 銘木村 朝鮮王朝時代
魚屋茶碗 銘さわらび 朝鮮時代
 *ほか全104点


秋季特別展期間中の催事

【講演会】

●10月23日(土)「広田不孤斎を語る」
 林屋晴三氏(東京国立博物館名誉館員)

●11月6日(土)「不孤斎コレクションの名品」
 赤沼多佳(茶道資料館学芸顧問)

 時間 何れも13時30分~15時(開場13時)
 会場 裏千家センター1階講堂
 定員 100名(申込み不要)聴講無料・入館料のみ

【♪茶道資料館ハープコンサート♪】
11月26日(金)開場18時・開演18時半~(約40分)
会場 裏千家センター1階ホール
出演:ハープ奏者 内田奈織氏・ハープ奏者 野田千晶氏
(入館料のみ。要事前電話予約。先着100名)

 

【館外での茶道資料館展覧会情報】
特別企画展 裏千家11代玄々斎宗室生誕200年記念
茶の湯の文明開化  ―茶人玄々斎の生涯と奥殿藩松平家―

2010年9月11日(土)~11月7日(日)
岡崎市美術博物館 [マインドスケープ・ミュージアム]
(主催) 岡崎市美術博物館、茶道資料館、中日新聞社
(特別協力) 裏千家                              
(協力) 社団法人茶道裏千家淡交会三河支部        
[お問い合せ]〒444-0002 愛知県岡崎市高隆寺町字峠1番地 岡崎中央総合公園内
岡崎市美術博物館
TEL:0564-28-5000/FAX:0564-28-5005

 

[ 茶道体験コーナー ]
〈初めての方のための茶道体験〉
展覧会期間中のみ初心者の方を対象とした茶道体験コーナーを設けています。
講師による分かりやすい指導のもと、いすに座る立礼りゅうれいで点前てまえを行い、挨拶の仕方やお菓子の食べ方、お茶の点て方、飲み方を体験。展覧会での鑑賞と茶道体験を通じて日本の文化を体感してみませんか。
 ○10時、11時、13時、14時、15時から1回約1時間12名まで。
 ○1週間前迄に要電話予約 入館料のみ