平成20年 春季特別展

裏千家所蔵 絵画展
―屏風を中心に―

 裏千家が所蔵する屏風を中心とした絵画展を開催いたします。
 代表作の「朝儀図屏風(ちょうぎずびょうぶ)」土佐光起(とさみつおき)(1617-91)筆をはじめ、「琴棋書画図屏風(きんきしょがずびょうぶ)」英一蝶(はなぶさいっちょう)(1652-1724)筆、「文正草子図屏風(ぶんしょうぞうしずびょうぶ)」などの屏風、絵巻の名品を展示いたします。
 さらに、今回特別に裏千家の代表的な茶室である「寒雲亭(かんうんてい)」の襖ふすまを展示いたします。 これは狩野探幽(かのうたんゆう)(1602-74)が、飲中八仙(いんちゅうはっせん)(唐の杜甫が作った詩に登場する酒豪、李白・賀知章など8人)の酒を飲む様子を描いた際、一仙人の左右の手を描き間違えたため「手違いの襖」といわれている著名な襖です。
 *寒雲亭とは、千 宗旦(千 利休の孫)の好みで造られた茶室で、わび本位の茶室である今日庵(こんにちあん)と又隠(ゆういん)(2階展示室に写しを設けており、茶室内部を見ることができます)の2つの茶室とは対照的に、書院造りが特色です。広さは八畳で一間の本床と一畳の控えと付書院があります。
 茶室の天井は、貴人をお迎えするための「真」、お相伴の人には「行」、自ら茶を点てる場所は「草」という具合に、天井を真行草の三段に張り分けているあたり、宗旦の茶人としての独創性と心遣いが示されています。今回展示する狩野探幽筆八仙人の手違いの襖の他、東福門院よりの拝領品を象った櫛形の欄間などが有名です。