令和6年 新春展

炭道具
―美味しい一碗を―

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 風炉や炉に炭をつぎ、火相ひあいと湯相ゆあいを整える炭手前。それに必要な道具一式を「炭道具」といいます。炭道具には炭斗すみとり、羽箒はぼうき、鐶かん、火箸、香合、釜敷、灰器、灰匙さじなどがあり、風炉と炉の違いや茶事の趣向などに応じて、茶人はさまざまに取り合わせを愉しんできました。利休七則には「炭は湯の沸くように」とあるように、その教えは客をもてなす心得の一つとして、今もなお大切に受け継がれています。
 本来、釜に湯を沸かすための一連の行為は裏方の準備作業であり、客が拝見するものではありませんでした。しかし、亭主が茶室に炭道具を持ち出し、客前で炭をつぐようになったことで、それまで人目に触れることがなかった炭道具にも注目が集まるようになります。そして、茶の湯の発展とともに意匠を凝らした様々な炭道具が見出されました。
 本展では、風炉と炉の炭道具の違いや季節の取り合わせ、裏千家歴代宗匠の好み物などを中心に紹介します。あわせて、茶の湯と炭の歴史にも触れながら、関連する茶道具や茶の湯のための特別な炭「道具炭」に関する資料もご覧いただきます。この機会に、炭道具の奥深い世界をご堪能ください。

 
会期   令和 6年1月7日(日)~ 3月31日(日)
【前期】1月7日(日)~2月18日(日)

【後期】2月21日(水)~3月31日(日)
◎講演会を同時開催いたします
開館時間    午前 9 時 30 分~午後 4 時 30 分(入館は午後 4 時まで)
休館日   月曜日(但し、1月8日・2月12日は開館)
第1・3火曜日、2月13日
入館料   一般700円、大学生400円、中高生300円
小学生以下ならびにメンバーシップ校の方は無料
呈茶   一般1000円(要別途入館料)
メンバーシップ校の方800円(入館は無料)
平日と土・祝日、1月7日、3月31日に開催
(但し、3月6・27・28日は行事のため呈茶席の開催はありません)
予約優先制ですが、定員に達していない時間帯であれば予約なしで受付可能です。

主な展示作品 ※作品リストはこちら 日本語/EN

有馬筆香合 野村美術館蔵
通期展示

羽箒画賛 裏千家8代又玄斎筆
今日庵蔵 後期展示
灰器 樂家3代道入作
今日庵蔵 前期展示 撮影:小笠原敏孝
網代組炭斗 裏千家4代仙叟直書
今日庵蔵 前期展示
交趾柘榴香合 通期展示
撮影:小笠原敏孝
流水文銀象嵌蛤形常張鐶 金盛徳元作
通期展示 撮影:小笠原敏孝
独楽釜敷 裏千家13代円能斎好
今日庵蔵  通期展示
張子宝珠香合 裏千家8代又玄斎好
今日庵蔵 通期展示 撮影:小笠原敏孝