レッスン風景

ウエスティン都ホテル教室


レッスン風景6

 暑さが残る9月、茶室の周りでは鈴虫の声が響き、空も高く秋の気配が漂う有明月夜に初心者教室の最終日、許状授与式が行われました。

感慨深く、茶室に入りましたが、許状授与式に向けた足の運びの確認をする賑やかな声が聞こえ、初日同様緊張も和らぎました。千利休居士画像のお軸、三具足が荘られ、その前で一人一人、幹事長から許状を授かりました。

 毎回、お稽古で京都の老舗和菓子屋さんのお菓子をいただけるのも至福でした。最終日のお菓子はお祝いに因み紅白のきんとんをいただきました。

 その後、先生が亭主としてお点前をしてくださり、受講者も初心者教室での最後のお点前を行いました。一服後には、思い出話などが交わされ、いつものように楽しく賑やかなひとときが過ぎていきました。中でも先生達がこちらで教室をされるのは最初で最後だとお聞きし、茶道に一段と興味深く楽しさを与えてくださった先生達との巡り合わせに受講者一同感激の念が溢れました。

 盆略点前から始まり、薄茶運び点前、棚での点前、柄杓や水指の扱い、また七夕には昔は短冊として使われた梶の葉を水指の蓋の代わりにした葉蓋、洗い茶巾での点前に濃茶もいただき、お軸や花のそれぞれにある背景や古来のしきたりを学ぶことができ、また祇園祭や祇園祭でのお茶席や先生の茶会に受講生の方とご一緒させていただき多くの思い出と充実感に満ちた日々でした。

 今までの、またこれからの素晴らしい出会い、時を大切にして日本の素敵な文化を少しでも大切に紡げるよう、引き続き、雅趣としての茶道の道を深め、自分の人生にも豊かな実りをもたらせるようにしていきたいと思います。これからも末長くよろしくお願い致します。


レッスン風景5

 厳しい猛暑が続き、8月の終わりまでこの酷暑はまだ続いているのではないかと途方に暮れる中、8月最後のお稽古では、お稽古の途中から鈴虫の声が茶室に響き、自然の中で季節が確実に秋に移り変わっていることを感じることができました。

 8月初めのお稽古は、「洗い茶巾」のお点前を学びました。

 平茶碗に水をはり、茶巾を入れて整えます。お点前での茶巾を上げたときの水が滴る音が五感を通じて涼しさを感じます。

 また、薄茶運び点前、お稽古初日に教わった席入りを復習しました。

 私は、足の運びが習いたての頃よりは良くなったものの、まだまだ不慣れであり、頭で右、左(時には声に出しながら)と意識しながらで、先生にも丁寧にご指導いただいているのですが、同じ受講者の方では、頭で考えずに自然と足が運べるようになっている方もおられ、その堂々とした、軸のしっかりした姿勢なども美しく感心させられ、また励みにもなりました。

 お稽古が始まって早くも5ヶ月も経ち、初めのころの日々を振り返ると、先生から学んだ作法や道具、お軸やお花に込められた意味などに触れ、まだ初心者の身ではありますが、茶道の文化に慣れ親しんできていることを実感でき嬉しく思います。

  


レッスン風景4

 7月に入り、本格的な暑さが続く中、京都では4年振りに祇園祭山鉾が催され、街中では大勢の方が歩く中でお囃子の音色が響き、京都ならではの夏の風情が漂いました。

 教室に着き、茶室に足を踏み入れると、一変して涼やかな雰囲気が漂い、静かな落ち着きが心地よく広がります。祇園祭に因んだお軸や、祇園祭りの時期に咲き始める槿の花、「祇園守」が入れられました。

 7月の菓子は、七夕の際には「天の川」、祇園祭の際には鉾の型が入った「鉾巡り」と、名前を聞くだけでも心が躍ります。瓢棚や渚棚を用いたお点前を教わり、さまざまな新しい道具を目にし、実際に手に取りながらその使い方を知ることで、茶道への興味が一層深まる月となりました。

 茶道を学び始めて以来、春から春の終わり、皐月のみずみずしい爽やかさ、そして夏の始まりといった季節の変化をじっくりと感じながら、心豊かな時間を味わうことができていることに、大変嬉しさを感じています。


レッスン風景3

 雨季の訪れと共に、風も夏めき6月の蒸し暑さが週を追うごとに増してきました。茶室に到着するまでには汗が滲みますが、山の麓に佇む茶室の周りに広がる緑や青空の風景を目にすると心なしか、涼しく、清々しい心地よさを感じます。

 6月初めは、薄茶運点前に棗・茶杓の拝見の作法を習いました。正客としての作法、亭主としての作法を一連の流れで習い、お客からの棗の形や塗り、お茶杓のお作、ご銘の問いに対し、お答えします。これがまた、時間が経つと、名前が出て来ず、「うっっ、、」と言葉に詰まっていると先生だけでなく受講者の方も合わせて口パクや小声で同時に囁いてくれるのですが、その光景が有難くも面白く笑いが溢れました。

 6月最終週からは、棚点前が始まりました。茶室には、丸卓、更好棚が用意されており、拝見した時はどう扱うのだろうかと興味が湧きます。はじめにそれぞれの道具の意味など教えていただき学べることも毎回、新鮮です。

「丸卓」
「更好棚」

 先生や、同じ受講者さんのお人柄、明るさに助けられ、6月も楽しく受講でき、茶道への想いが深くなる日々であります。


 レッスン風景2

 5月に入り、時折大きな台風や激しい雨も訪れる変幻自在な天候の中で、お稽古の日には、清々しい晴天が広がる日が多く、雨に濡れた茶室とは異なる趣を纏った茶室の周囲には、五月の息吹が漂っていました。道具や軸、花入、花々からも、季節のうつろいを感じます。

 待ち望んでいた稽古が、ゴールデンウィーク中の休み明けに再開しました。茶室へ足を踏み入れ、先生が入れられた奥ゆかしくも可憐な花々を拝見するのは、稽古の楽しみの一つです。稽古の始まりに、軸や茶花について教えていただきます。

  

 5月の初めは、割稽古と盆略点前の練習に励みました。足の運びや点前の流れが次第に身につき、自信を深めたところで、薄茶点前の稽古が始まりました。お道具をただ扱うのではなく、美しい所作で身につくよう、指の動き、位置を丁寧に指導していただきます。また、お客としての作法もたくさん学ぶことがあります。

 

 一段と覚えることや動きも多くなり、みなさん、他の方がお点前している時にも、一緒に手を動かして何度も練習しています。受講者のひとりが「お稽古は筋トレの時間でもある」とおっしゃっていた通り、体もまた頭の中もお稽古中2時間フル回転で稽古が終わり、茶室を出てからの帰り道は、呆然となりながら歩いております。

 お稽古が始まってから2ヶ月ほど経ち、毎回皆さんと一緒に楽しく夢中に取り組めていることを幸せに感じる日々です。このような経験を積んでいくことで、茶道に対する情熱と充実感がより深まっていくことでしょう。

 


レッスン風景1

 春が早く訪れ、夏のような暑さも感じた折、五月の爽やかな風を予感させる雨の音色が響く中、涼やかな初稽古を迎えました。ここで半年もの間、茶道を学べることに喜びが湧き上がります。教室の中ではすでに先生達と、受講者の和やかな話し声や笑い声が聞こえ、緊張も和らぎます。

 本日のお軸は「福寿海無重」で、お花は切り口から微かにロウの香りがする「黒花蝋梅」でした。「華鬘草(ケマンソウ)」鯛の形に似ていることから別名「鯛釣り草(タイツリソウ)」とも言われていると教わりました。

 席入りでは、襖の開閉、正座からの立ち上がり方、足の運び方をお教えいただき、床の前、軸やお花を拝見する際でのお辞儀、席についた後の扇子の置き方についても学びました。お菓子とお茶はお稽古の楽しみの1つです。奥ゆかしく柳の型が入った「青柳」という銘の菓子と先生に点てていただいたお茶をいただきました。

 4月の終わり、茶室の庭に咲く木々や花々を目にし、しとしとと降り続く雨の静かな情緒と調和して、茶室に深い響きをもたらし、心が落ち着きます。着物姿で稽古に参加された受講者の優美な姿に気分も高まりました。

 席入りの復習では、私は足の運びが上手くいかず、先生に同じところを丁寧に何度も教えていただき、少しずつ上達することができました。

 今回は盆略点前・割稽古を丁寧に指導していただきました。帛紗さばきは何度も練習しているうちに手が動くようになってきましたが、一つ一つの動作を意識しながら練習を重ね、先生のように美しい所作で捌けるようになりたいと思います。