レッスン風景

ロイヤルパインズホテル浦和教室


レッスン風景6

 本日のお軸は「本来無一物」でした。有名な禅語とのことですが、せめて茶道教室の2時間だけでも、日常の欲望や執着から離れて清々しい心持ちでお稽古ができればと、改めてお茶室で過ごす時間の有難みを感じました。戦国の大名や武将たちもお茶室で心を落ち着けるひと時を過ごしたかと思うと、現代まで受け継がれた茶道という文化に触れる機会を持てたことを感慨深く思います。

 これまで薄茶のお点前を教えていただいていましたが、今回は先生が濃茶のお点前を見せてくださいました。薄茶とは違う流れの所作が多く、お道具も棗の代わりの茶入になり、先生の流れるようなお点前に目が奪われました。所々で解説を入れながら、濃茶を練る場面では手元の動きを間近で見せてくださいました。滑らかな舌触りと深みのあるとろりとした濃茶は、薄茶とはまた違う格別のおいしさでした。

初心者のための茶道教室では、半年間という短い期間に、何もわからない状態から本当に丁寧に基本を教えていただきました。おかげさまで茶道の入口に立つことができ、お稽古を重ねるにつれて、その先に続く広く深い茶道の世界への関心が湧きました。
次回はいよいよ最後のお稽古で、集大成としてのお茶会になります。先生に教えていただいたことが身についているのか、不安も多々ありますが、半年間一緒にお稽古をしてきた方々とともに、思い出深いお茶会になることを楽しみにしております。


レッスン風景5

 先日は、冬によく使われる筒茶碗の扱いをお稽古させていただきました。「夏は涼しく冬は暖かに」という心配りを道具や所作から学ぶのも茶道を習う楽しさです。

 お客様においしいお茶を召し上がっていただくために、心を込めてお点前ができるようになりたいと思いますが、同時に自分でもひとつひとつの所作を楽しめるようになりたいです。なかなか身につかないことばかりですが、柄杓の取り方や茶杓の持ち方など、先生が丁寧に教えてくださるなかで、少しわかったかもしれないと思える嬉しい瞬間があります。柄杓や茶杓等を扱うことに、これほど熱心になれるとはお稽古を始めるまでは考えてもみませんでした。


レッスン風景4

 新年2回目のお稽古のお軸は「松無古今色」、お花は山茱萸と深草少将でした。毎回のお軸とお花も、お稽古の楽しみのひとつです。新春の季節感が溢れる風情に、受講者から感嘆のため息が漏れます。

 年が明けて、お点前の道具に更好棚と丸卓が加わり、柄杓や棗を飾ることを教えていただいています。天板が丸い丸卓は「陽」なので、柄杓は合を伏せて「陰」に飾り、反対に、天板が四角い更好棚は「陰」なので、柄杓は合を上に向けて「陽」に飾るということが、興味深いです。茶室に右足から入り左足から出ることで中と外の区別を感じますし、初心者のお稽古でも茶室という宇宙でのさまざまな法則を想像させる所作に数多く出会います。

 10回以上のお稽古に一緒に参加していると、受講者の間にも連帯感のような雰囲気ができてきます。亭主役の受講者のお点前をお客様役や半東役の受講者は温かく見守りつつ、先生が帛紗や柄杓の扱い等について指導くださる際には、一緒に手を動かして練習させていただくことも度々です。独りで茶道のお稽古に通う勇気はなかったので、初歩から一緒に学べる方々に恵まれたことを、改めてありがたく思います。


レッスン風景3

 風炉の薄茶点前を何度かお稽古するうちに、釜、水指、茶碗、棗が目の前に広がる風景にも慣れてきました。それぞれの道具がきちんと配置された様子に整然とした美しさを感じます。例えば、水指と茶碗と棗が三角形の各頂点に位置するように置きますが、先生から「棗を少しだけ右に」と声をかけていただいて動かすと、見違えるほどに引き締まった構図になることがあります。
 また、所作の美しさが際立つと感じるのは柄杓です。釜から湯を汲んで茶碗に注ぐ動作は、茶碗に落ちる湯音と相まって、心がしんとします。

 そのような瞬間に喜びを感じる一方で、一連の所作はまだまだ覚えられないことも多く、先生は手振りを添えながら親切かつ丁寧に指導してくださいます。きちんとした所作の基本を身に着けられるように、お稽古に時間がかかってしまっても細やかに注意していただけることを、毎回ありがたく思います。

 さらに、お点前の所作だけでなく、お客として道具を拝見することも教えていただいています。「また巡り合えますように」という気持ちをもって棗や茶杓を見せていただきましょうと先生がおっしゃっていましたが、美しいものを鑑賞する心の豊かさも、この教室で教えていただけることのひとつです。


レッスン風景2

 盆略点前のお稽古も3回目です。2つのグループに分かれて、それぞれのグループで、点前、半東、客の役割を交代で担当してお稽古します。
 半東さんが「お菓子をどうぞ」とお客様に勧め、お客様は「頂戴いたします」とこたえます。姿勢を正して挨拶をする姿は、日本の礼儀の美しさを感じさせます。

 先生は3人それぞれの動きに目を配り、同時に指導してくださいます。お点前の所作を覚えているところは静かに見守ってくださり、次の所作が思い出せなくなると「帛紗を左手に乗せて」「茶杓を取って」と声をかけてくださいます。茶筅の動きに気を取られていたところ、「おいしくなぁれ、おいしくなぁれと心の中で唱えながら茶筅を動かしましょうね」と先生の一言にハッとしました。お客様においしいお茶を点てて差し上げたいという、おもてなしの気持ちの大切さに、改めて気付かされたお稽古でした。

 また、帛紗がきれいな形にたためないと先生に相談したところ、帛紗捌きの特訓をしていただきました。左右それぞれの指が帛紗のどの位置を押さえているべきか、細かな動きを繰り返し見せていただき、何度も練習させていただきました。


レッスン風景1

 10月12日(水)に初めてのお稽古がありました。 どのように座ってよいかもわからない受講者に、先生は最初に、お辞儀の仕方を教えてくださいました。正面に扇子を置き、指先を揃えて挨拶をして、心地よい緊張感で背筋が伸びました。

 初回は帛紗捌き、茶巾のたたみ方、茶碗の清め方を教えていただき、ひとつひとつの動作のポイントを確認しながら練習しました。「どちらの向きに茶巾をたたむのだったかしら…」などと考えることなく、自然に流れるように茶巾を使えるようになる日がくることを期待しつつ、繰り返し練習したいです。
茶筅の動かし方を教えていただき、自分たちで点てた抹茶を、秋らしい栗のお菓子とともに、味わいました。棗から茶杓で茶碗に抹茶を入れる際、先生は手元の動きをゆっくり何度か見せてくださりつつ、わかりやすく易しい表現で説明をしてくださるので、受講者は目と耳を集中させて、茶杓の動きを覚えようと真剣です。
 茶碗の持ち方や回し方にもそれぞれ意味があり、細かな所作に日本の文化が詰まっているように感じられました。

 しかし、正座で足が痺れてしまったり、帛紗捌きで右手と左手が混乱してしまったり、思うようにできないことはたくさんありました。先生の座る姿勢や歩き方の美しさに感銘を受けつつ、教えていただいた通りに手足を動かそうとするのですが、これが非常に難しいのです。右足と左足が逆に出てしまったりする受講者のひとりひとりに、先生はユーモアも交えながら丁寧に基本動作を指導してくださいます。おかげさまで、日常生活とはかなり違う動きに戸惑いながらも、明るく和やかな雰囲気でお稽古に取り組めました。
 新しいことを学べることが楽しく、あっという間の2時間でした。茶道の基本を通じて日本の豊かな文化に触れることができそうで、来週以降のお稽古が楽しみです。


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