レッスン風景

ロイヤルパークホテル教室(木曜日)


レッスン風景7 許状授与式

 3月15日、とても暖かい春の陽気の中、ついにお客様をお招きするお茶会当日。

 私は正客として、お客様皆様とご一緒に日本庭園の露地を抜け、蹲踞で手と口を清めてお茶室へ入りました。

 お軸は「暖風」。
 先代のお家元がお書きくださったという大変貴重なお軸です。

 春らしい華やかなお菓子とともに、お仲間が点ててくれたお茶を頂きます。お客様の前でお点前をされるお姿はとても素敵でした。半東をされたお仲間は、お客様方へ御礼のご挨拶、お茶やお菓子のお運びをとてもスムーズにされていて、おかげでとても和やかなお茶会の時間となりました。

 私たちはお客様としてお道具の拝見や問答を行っておりましたが、先生方のご配慮により皆様の前でお点前をさせて頂く事も出来ました。今まで教えて頂いた事を思い出し、感謝の気持ちを持ってお点前をいたしました。お道具は更好棚に「総飾り」に、そして最後は先生のお声掛けでふくさをうぐいすに折って飾ることに。

 お客様方に楽しんで頂けたようでとても嬉しく、大切な思い出の日となりました。

 3月22日は、ついにロイヤルパークホテルでのお稽古最終日でございます。

 利休さんのお軸が飾られた厳かな環境の中、幹事長様のご挨拶を頂戴いたしました。

 海外で日本の事を聞かれたとき、なにかひとつでも、自信をもって伝えることのできる力をつけること。茶道を経験していれば、日本の事を知っているという自信に繋がること。
 少しでも多くの方に、こうして日本文化への興味を持って頂きたく思った、大変貴重な時間となりました。

 許状授与式の様子です。
 幹事長様が受講生一人ひとりに許状を読み上げてくださいました。

 こちらは受講生のお仲間が撮ってくださった写真です。
 お許状が、ついに自分の手元に。なんて嬉しいのでしょう。

 お濃茶の体験、そして最後のお点前の練習に移ります。
 半年間のお稽古も、とうとう終わりの時間がきてしまいました。

 実はこの日、受講生皆より、先生方へ心ばかりですが花束を差し上げるため準備をしておりました。ホテルのマネージャー様もご協力くださり、集合写真まで撮影頂けて大変有難く思います。

 今までの感謝の気持ちで、涙、涙のお稽古最終日。
 先生方、本当に、本当に有難うございました。

 初めの頃のお稽古で、お茶室は時がないもの、と教わりました。お稽古の際は、お道具を傷つけないよう時計やアクセサリーをはずします。普段時間に追われるように過ごしてしまうこともありますが、こうして日常から切り離された、時計のない、時のないお茶室でのお稽古の時間は、毎回心に潤いを与えてくれる素晴らしいものでした。

 お家元はじめ、初心者クラスをご用意下さった裏千家本部の皆様、この場を借りて心より御礼申し上げます。


レッスン風景6

 2月最後のお稽古は、丸卓でのお稽古です。

 総飾りといって、お道具をこのようにお棚に飾っておしまいにいたします。いつもこうして美しいお道具でお稽古が出来、とても有難いです。

 この日は今までのお休みの振替として、1日3回設定されている全てのクラスに出させて頂きました。おかげさまで、大変有難く、貴重な時間を過ごすことができました。お昼には少し雪が降り、日本庭園の飛び石に雪があたる眺めはとても風情がありました。

 先生が、ふくさでのうぐいすの作り方を教えてくださいました。みんなで練習して、私のうぐいすも初めて立ったときはとっても嬉しい瞬間でした。先生が綺麗にうぐいすを作られるお姿はとっても美しかったです。

 3月はじめのお稽古では、お雛様の色紙が飾られておりました。

 綺麗なピンク色のお花やお菓子と共に、受講生皆笑顔になります。

 お稽古最終日に向けて、3月15日にはお茶会を開き、お客様をお迎えする事が決まりました。当日に向け、人数の多い夜のクラスは2チームに分かれることに。それぞれのチームで、お点前をする人、お菓子やお茶を運びお客様にご挨拶などを務める半東をする人、正客・詰客としてお客様役をする人、と役割を決め、お茶会開催当日の動きに合わせてお稽古をしてくださいました。
 私は正客の役割となりまして、お道具の拝見をお願いする際の言葉遣い、お客様の代表として、ご一緒するお客様方へお声を掛ける内容、タイミングなどを復習させて頂きました。

 3月8日のお稽古は、お客様をお迎えするお茶会に向けた最後の練習です。床の間のお軸は「喫茶去」。

 今まで教えて頂いた事を実践し、お客様をお迎えする機会まで設けてくださるのはとっても有難いですね。お稽古の様子を見て頂けることに緊張しつつも、受講生みなそれぞれ家族に声を掛けたりと、着々と準備を進めています。

 お茶会当日は、更好棚、そして先生がコペンハーゲンからお持ちになったというこちらのお薄器を使わせて頂く事となりました。お薄器の蓋は日本で作られたとの事。開けると金が塗られています。とっても美しいです。

 緊張感を持って練習していくことで人間が出来、品が高まるということ。苦労した分だけ良い結果が出ること。これは、この日の終礼で先生から頂いたお言葉です。先生のお言葉に添えるよう、より一層の精進を重ねてまいる所存でございます。


レッスン風景5

 1月18日、新年初のお稽古です。

 お玄関には新春のお花がいけられています。床の間には新年の飾りがなされたお軸、そして今年の干支をご準備くださいました。
 岩上先生より、宮本武蔵の言葉「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を連とす」を教えて頂きました。先人の教えから、日々のお稽古の大切さ、継続することの大切さを改めて学ぶことが出来、とても有意義な新春のお稽古の時間となりました。

 この日からは、棚のお稽古が始まりました。今までのお点前に新たな動作が加わりますので難しくなってまいりました!こうして様々なことを教えて頂ける環境がとても有難く思います。

 2月はじめのお稽古は、更好棚でのお稽古でした。お道具の置き方が丸卓の時とはまた違ってまいります。

 2月15日、この日ご用意下さったお軸には、「円 一任君見」と書かれています。このお軸を見る人に、上に書かれた円の見方を一任するとのこと。私はこの丸い円を見て、元旦にかけてイギリスで眺めた大きく美しい月を思い出しました。
 岩上先生からはこのお軸にちなみ、円のようなおだやかな気持ちでお稽古に、というご挨拶を頂きました。お稽古の間、言葉の選び方、心の持ち方も先生から学ぶことが本当に多く、なんて有難い環境なのだろうといつも思います。

 床の間のお花は、トサミズキと黒侘助がいけられています。お棗は、尻張りという形のもの。お菓子は、梅の菓子器にきれいなうぐいすです。

 2月15日のお稽古では、お軸は「円 放下着(ほうげじゃく)」。一切を捨てること。執着心を捨てることが、おだやかな生き方に繋がること。お稽古を通して、このようにお軸からも勉強させて頂くことができています。

 こちらのクラスで過ごせる時間も、だんだんと残りわずかとなってまいりました。
 3月22日がロイヤルパークホテルでの最後のお稽古となりますが、3月25日に岩上先生がお祝いとしてお茶事を開いてくださる事となりました。

 こんなに美しいご招待のお手紙までご用意くださって、受講生皆、先生のお心遣いに感動いたしました。


レッスン風景4

 12月に入ると、お茶室で新しい美しさに出会いました。

 凛とした、なんとも美しい水仙のお姿。
 お玄関でこのような眺めに出会い、心が清められ背筋が伸びる思いがいたしました。なにかと慌しくなってしまう日常から切り離され、心が本当に落ち着いた瞬間です。

 広間へ席入りをすると、普段はガラス越しに外が見えるつくりの障子ですが、摺上げ部分が全て閉まっており、ガラス部分が見えない形になっておりました。伺うと、冬に入り寒いことを気遣い先生が私たちのために閉めてくださったそう。お玄関に始まり障子にいたるまで、先生のお心遣いやおもてなしに感動いたします。

 この日はご一緒している受講生の方のお点前がスムーズで、綺麗でとても印象的でした。みなさんお仕事がお忙しい中をきちんと練習されているのだなといつも感化されます。良いお仲間に出会えて本当に良かったです。

 お菓子はとっても可愛らしいうさぎさんでした。
 この日の帰り際、岩上先生とご一緒に教えてくださっているアシスタントの山下さんからは、先生はひとりひとりに合わせて進んだ分をきちんと教えてくださること、ひとつひとつのお話やお言葉に意味があることをお話いただき、学びの有難さを改めて実感いたしました。

 12月14日、そろそろ2017年も終わりに近づいたお稽古の日。
 この日は、年の終わりにその年の干支を飾ることを教えて頂きました。

 みやこどり、と言うそうです。
 席入りで床の間の拝見をする際、可愛らしいお姿に受講生も皆笑顔になっておりました。

 お菓子は前回のお稽古で拝見した水仙を思い出すような、とても綺麗で美味しいものを頂戴いたしました。

 お稽古では、お道具の拝見の仕方も教わります。その中で、お茶杓に名前をつける、銘を考えるという場面があり、季節の言葉やヒントを先生がたくさん教えてくださいます。12月14日は赤穂浪士討ち入りの日ということから、この日のお茶杓の銘として教えてくださったのは「陣太鼓」!
 このように歴史の背景を現代に息づかせることのできる知識を私ももっと備えておきたいです。

 この日、お玄関には少しピンクがかった菊がいけられておりました。冬枯れと言う時期で、紅葉が過ぎて景色がさびしくなる頃を華やかにする意味があるそうです。

 稽古に来ているとき、初めて目にするもの、耳にするものが、ただ新しいことを知るという感覚とは全く違うと思うことがあります。五感に働きかけてくるような、すっと身に入ってくるような、そういった感覚で学ぶ事が出来ています。

 それは冒頭から記載している通り、季節ごとのおもてなし、心遣いを先生がこうして丁寧に実践くださり私たちの心に届いているからです。

 幹事長様も岩上先生もおっしゃっていた、茶道は日本の総合芸術であるという言葉を思い出しました。美しい精神性、心に届くおもてなしを学ぶことができ、茶道は日本の大切な芸術であり大変有難い学びだと、お稽古に伺うたびに実感いたします。

 2017年最後のお稽古は、あいにく出席が叶いませんでした。大切なお稽古に伺えずとても残念に思っておりましたが、大変有難いことにアシスタントの小笠原さんがお写真を撮影くださっておりました。

 こちらのクラスでレッスン風景を報告する事になった私にご配慮下さり、先生方皆様には本当に感謝しております。


レッスン風景3

 11月はじめのお稽古では、笹川幹事長のご挨拶を頂戴いたしました。
 日本の総合芸術である茶道。お茶室のしつらえ、そして全てのお道具それぞれが、日本の芸術であること。お箸の持ち方ひとつをとっても、日常の所作の美しさに繋がること。

 海外の方がお箸の正しい持ち方や所作を真剣に学ばれていたお話も伺い、日本に生まれた者として見習うべき精神がまだまだある、と大変良い刺激を受けました。こうして幹事長様にもご挨拶できる機会を頂けて本当に有難く思います。

 この日は朝のクラスに振り替えさせて頂きました。同じお茶室ですが夜とはまた違った雰囲気。清々しく明るい朝の日本庭園の景色の中、とてもリフレッシュすることが出来ました。一人ひとり、釜の前で盆略点前の一通りの流れを実際にやらせて頂く事ができ、今までの割り稽古で教えて頂いた事が1本の線としてつながった嬉しさを実感した日です。
 新しいお仲間にも出会え、とても有意義な朝となりました。

 お軸は『関』。南北東西活路に通ず、と書かれています。
 まだまだ私は正座を続けることが難しい日々です。正座も修行の関門のひとつ。関門を越えられるか心配ですが、お軸の説明と共に先生が優しくとてもおだやかに「関門」とおっしゃるものですから、おかげさまでとても前向きな気持ちで修行に臨める思いです。お菓子は落ち葉炊き。綺麗なオレンジ色が、秋の美しさ、季節感が凝縮されたようで素敵なお菓子でした。

 5回目、11月9日のお稽古からは、初めて手にする柄杓のお稽古です。皆さん覚えがとっても早くて尊敬です。私にはとってもとっても難しい柄杓の扱いです。お菓子はきんとん製の『初霜』。掛け花も本当に美しいですね。

 6回目のお稽古では、前回習得できなかった柄杓の扱いも、先生方の丁寧なご指導を賜りやっと私もわかってまいりました。復習をしながら実際に釜の前に座り、水指の蓋の開け方、置き方なども含めお点前の流れの中でどう扱うかを学んでいきます。
 お軸とお花は菊で揃えられており、統一された空間に美しさを感じます。この日は淡交タイムスを頂戴いたしました。1ページ開いてみるとそこにはお家元の御写真と御言葉が。気持ちが引き締まる思いです。有難うございます。

 祝日により11月23日がお休みでした為、11月30日は2週間ぶりのお稽古です。
 お稽古はこの日で7回目。毎週、お軸やお花、それぞれの意味や背景を学べることをとても楽しみに通っております。床の間の山茶花は、色合いや佇まいがとても綺麗でした。

 この日、日本庭園は息をのむような美しい紅葉の眺めでした。
 その見事な紅葉にそっくりの、綺麗な色合いのお菓子。こうして季節の移り変わりを随所で体感できるお稽古をご用意頂ける環境に、日本の総合芸術である茶道の素晴らしさを改めて実感いたしました。


レッスン風景2

 前回までのお稽古を思い出しながら、席入りや床の間の拝見、歩き方を実践しながら広間の席に着きます。
 お稽古2回目、この日のお軸は和敬清寂。敬うという字に、先生から開講時に頂いたご挨拶の中の「思いやりの心やおもてなしの意味」を思い出しました。

 繭篭と木の香合は10月まで。10月は「名残」というそうです。こうして意識的に季節の移り変わりを大切に過ごせる学びがとても有難く感じました。
 私をはじめ、皆様お仕事帰りにお稽古にいらしているようです。そのような私たちへ、先生は優しく労わりの御言葉を下さいます。毎週木曜日は無事にお稽古に間に合うだろうかと少し心配しながらの日中ですが、先生にそのような御言葉を頂けると今日もお稽古に来られて本当に良かったと心から安心いたします。
 この日からは、盆略点前の割稽古が始まりました。受講生は2列に向かい合って座り、お盆に乗せたお道具で一連の手順を教わります。

 割稽古は、1割2割と習っていき、最終的に10になるようにお稽古していくものと先生がお話下さいました。これからの1割1割のお稽古を大切に、丁寧に、少しでも早く吸収していけたらと思います。

 お菓子は美しい色合いのもみじでした。

 私たち夜のクラスは、男性1名、女性7名の計8名で受講しております。この日、先生がふとおっしゃった殿方という御言葉に、日本語の美しさを感じました。

 雨が続き急に寒い日々がやってまいりましたが、お稽古が終わりお茶室を出るとちょうど雨が上がっており、とても清々しい空間に癒された帰り際の時間でした。

 離れの本格的なお茶室や日本庭園のある空間で習ってみたいという願いが叶い、お稽古に伺うたびに嬉しい気持ちになります。

 3回目のお稽古では、初めて一人ずつお点前の練習をさせていただきました。初めてさわる銀瓶!熱さ、重さを体感する事ができました。感動です。

 お菓子には小さな銀杏の葉。とても可愛らしかったです。

 私が初めてお点前を拝見しお抹茶を頂いたのは、京都 平等院鳳凰堂に近いお茶室でした。その時に見たままの美しい日本文化を、こうして自分も教わる事が出来る日がやってきたことにとても嬉しく思います。


開講

 ホテルから日本庭園を抜け、本格的なお茶室へ入ります。
私達は夜のクラスですので、日本庭園がライトアップされとても美しいです。

 到着した順に、まずは席入りや床の間の拝見の仕方を学びます。

 お軸は且坐喫茶(しゃざきっさ)。
 そして、繭篭(まゆかご)にいけられた秋明菊や秋海棠など秋のお花、木で作られた香合。季節を感じられる美しいしつらえに、緊張しながらもとても心が浄化される思いです。

 全員が揃ったところで岩上先生よりご挨拶を頂戴しました。

 相手を大切に考え、気持ちよくいて頂くよう心がける、というおもてなしの心。
このような事を続けると、人生がより良いものになる。

 ご挨拶の中で先生が下さった上記の御言葉から、公私共に通じる思いやりの心やおもてなしの意味を改めて実感し、人生におけるとても大切な事に気付く事が出来ました。

 お菓子は乱菊。松の柄のお茶碗でお点前を頂戴しました。

 ロイヤルパークホテルでのクラスが今期から新たに始まるという事で、お家元がお茶碗など新しいものを揃えて下さったとの事。
このような素晴らしい環境をご用意頂けてとても幸せに思います。
この場を借りて、心より感謝申し上げます。

 お辞儀の仕方、ふくさの扱い、襖の開け方、歩き方、と学びが続きます。最後には皆でお茶を点てる体験もでき、先生が一人ひとりにご指導下さいました。

 この際の私のお茶碗は、可愛い虎と一休さんが描かれたもの。
とても気に入ってしまいました。

 足が痺れながらも、皆で和やかな雰囲気であっというまの二時間でした。お家元のお話もたくさん伺う事ができ、今日までこうして教えが受け継がれている事を大変有難く思います。

 そして先生のとてもお美しい佇まいに、女性として憧れる様な方に出会えた事が本当に嬉しく思ったお稽古初日でございました。


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