レッスン風景

ホテルニューオータニ教室(水曜日)


レッスン風景1

 茶道において11月はお正月にあたる「炉開き」とのこと、私たち初心者にとっては何もかもが新鮮な情報です。

 教室は全員はじめましてのメンバーですが、回を重ねるごとに少しずつ会話が増えてきて、互いに助け合いながらお稽古をするようになってまいりました。他者との交流が希薄になりがちな現代において、茶道を通じて思いやりの精神を改めて教えていただいている気がします。

 今宵の掛軸は、裏千家の大宗匠であります千 玄室さんがお書きになった『無事』。先生が今年1年無事に過ごせた感謝と来年も無事に過ごせるようにという願いを込めて掛けてくださいました。慌ただしい日常生活においてゆっくりと掛軸やお花を拝見し、自身のお点前の稽古に集中する時間はとても貴重であり、己をリセットするいい機会となります。

 茶道はお茶碗の中でシャカシャカお茶を点てて飲むイメージが浮かびますが、それ以外の所作にも一つ一つ大切な意味があると知りました。

 

 まだまだ分からないことだらけですが、丁寧に教えていただきながら稽古をし、仲間に自分が点てたお茶をお出しするだけで1歩前進した気持ちになりました。日常生活を慌ただしく過ごしている名残かもしれませんが、所作を終える前に次の所作へ移ってしまいがちです。茶道ではそれぞれの動作を丁寧に完結させながら次に進むため、ゆっくりと丁寧にお客様をもてなす心が育つ気がします。

これから週に1度、2時間の貴重な時間を実のあるものにすべく精進してまいりたいと思います。