千 玄室大宗匠 シドニーを訪問 -淡交会シドニー協会発会50周年・裏千家ブリスベン連絡所開設49周年・淡交会メルボルン協会発会30周年記念行事-
令和5年6月7日(水)から11日(日)まで、千 玄室大宗匠はオーストラリア・シドニーを訪問。茶道裏千家淡交会シドニー協会発会50周年(シドニー協会 松永義明会長)・ブリスベン連絡所開設49周年(ブリスベン連絡所 山田宗文駐在講師)・茶道裏千家淡交会メルボルン協会30周年(メルボルン協会 ブルース・ミラー会長)の記念行事に臨まれました。
【大宗匠 歓迎晩餐会】
8日、午後5時半からシドニー湾サーキュラーキー地域にあるRoyal Automobile Club of Australiaを会場に歓迎晩餐会が催されました。
会場には、鈴木量博 駐オーストラリア日本国特命全権大使、德田修一 駐シドニー日本国総領事、島田順二 駐メルボルン日本国総領事、ティム・スミス ニューサウスウェールズ州遺跡史跡局長、ビル・ウェスト カウラ市長、マリージョゼ・ミッシェル ニューカレドニア元名誉領事・淡交会ニューカレドニア協会会長ら約130名が出席。大宗匠の来豪を歓迎しました。 松永会長の開会の挨拶に続いて大宗匠が挨拶、鈴木大使による乾杯の発声に続いて大宗匠の百寿を祝う弦楽三重奏がありました。
またスクリーンには50年間のオセアニアにおける茶道普及の歴史を振り返る多数の写真が映し出され、参加者同士で思い出を語り合うなど大いに賑わいを見せ、晩餐会は盛会裡に終了しました。
【和合の茶会・記念式典】
9日、午前9時半から国立海洋博物館シアタールームにて和合の茶会が行われました。
大宗匠は外交関係の来賓や淡交会シドニー協会および近隣協会会員など約170名の参加者が見守る中、6名が登壇し、世界平和と日豪両国の一層の友好を祈念して各服で一碗を喫しました。
茶会後には大宗匠より和合の茶会や道具等についての説明があり、参加者は一層理解を深めました。
◇登壇者
鈴木量博 駐オーストラリア日本国特命全権大使
ビル・ウェスト カウラ市長
德田修一 駐シドニー日本国総領事
マリージョゼ・ミッシェル ニューカレドニア元名誉領事・淡交会ニューカレドニア協会会長
島田順二 駐メルボルン日本国総領事
松永義明 淡交会シドニー協会会長
その後、淡交会シドニー協会発会50周年・裏千家ブリスベン連絡所開設49周年・淡交会メルボルン協会発会30周年記念式典を実施。
松永会長からの主催者挨拶に続き、大宗匠と德田総領事より挨拶がありました。
続いて、大宗匠よりオセアニア各協会の発展に尽力された方々への感謝状授与と功労者表彰が行われ、続いて各協会・連絡所の周年を記念して茶道具が贈呈されました。
また、今回、同じオセアニアの協会・連絡所の周年を祝う為に駆けつけたマリージョゼ・ミッシェル ニューカレドニア元名誉領事・ニューカレドニア協会会長にも激励の言葉を寄せられました。
《感謝状授与》
シドニー協会 松永義明 会長
《功労者表彰》
シドニー協会 フリーマン良子 幹事長
メルボルン協会 ジェンセン裕子 元幹事長
ブリスベン連絡所 マーガレット・プライス氏
【千玄室大宗匠記念講演・茶道デモンストレーション】
午後1時からは同会場にて大宗匠の記念講演が行われました。
冒頭、戸田宗寛業躰の解説で茶道デモンストレーションを実施。亭主を中野宗剛業躰、半東を倉斗宗孝業躰、客をシドニー協会、メルボルン協会、ブリスベン連絡所社中がつとめました。
その後の大宗匠による講演では、来賓、茶道修道者、一般の方々に向けて「丸い茶碗は地球です。抹茶は緑。戦争や侵略、人間の開発により緑が失われてきています。一盌のお茶から私たちの故郷である美しい地球を思い出してください。茶の道をおさめるということは自分をおさめるということ。皆が謙虚な気持ちになって緑のお茶を勧め合えば衝突はなくなります」と世界平和に対する思いを述べられました。
参加者は、時にユーモアをまじえて語られる大宗匠の話を熱心に聞き入り、最後には質問が多数寄せられるなど、茶道に対する関心の高さが感じられる講演となりました。
講演会終了後は国立海洋博物館の別館にて、シドニー協会席とメルボルン協会・ブリスベン連絡所席の2席が設けられました。それぞれに地元のものを中心に道具を取り合わせ、会員たち手作りの菓子で来場者に心づくしの呈茶がなされました。
シドニー協会席
メルボルン協会・ブリスベン連絡所席