令和5年癸卯歳 今日庵初釜式

宗家暦

 1月7日(土)、宗家において令和5年癸卯(みずのとう)歳の今日庵初釜式が始まりました。昨今の時世を鑑みて規模を縮小し、関係法人の役員をはじめ同門社中のみのご案内とし、新型コロナウイルス感染症対策を徹底した上で執り行われました。

 式場となった平成茶室「聴風の間」の床には、元伯宗旦と妻 真巌宗見合筆の卯元日歌が掛けられ、仙叟作利休端之坊写の竹二重切花入に曙椿と鶯神楽、青竹に結柳が飾られました。また、点前座の点茶盤には家元好みの皆具が据えられ、第一席には今日庵老分はじめ裏千家関係役職者が席入りされました。

 千 宗室家元、千 玄室大宗匠が新年のご挨拶をされた後、玄々斎好みの菓子・菱葩(ひしはなびら)が賀客方に供されました。続いて家元が厳かに濃茶を練られ、各服にて濃茶が呈されました。

 式場では濃茶に続いて金剛流宗家の金剛永謹師による祝言の謡曲「老松」が披露されました。

 薄茶席は平成茶室2階「看月の間」に設けられ、千 宗史若宗匠、千 容子家元夫人、伊住弘美様、伊住宗陽様、伊住宗禮様がもてなしをされ、今年の干支にまつわる銘や意匠など、新春の趣向にて一碗が呈されました。

 展観席の対流軒の床の間には、正親町天皇の御宸翰が掛けられ、春日台に神鈴が飾られました。

 今日庵初釜式は京都において12日までの6日間、今日庵東京初釜式は裏千家東京道場において1月16日から19日までの4日間催される予定です。