千 玄室大宗匠 滋賀大学にて講演

講演会

 令和5年11月4日(土)、滋賀県彦根市にある滋賀大学において彦根高等商業学校創立100周年記念式典が開催され、千 玄室大宗匠が「今の心」と題して記念講演をされました。
 滋賀大学の前身である彦根高等商業学校は、彦根藩主であった井伊直弼が武家の教養と広く社会一般の利益を追求した近江商人の「士魂商才」を建学の精神に掲げ設置されました。「士魂商才」は現在も滋賀大学経済学部の学部理念として受け継がれています。 

 井伊家当代である井伊直岳氏の講師紹介の後、登壇された大宗匠は、近江商人の勤勉・正直・倹約の精神に触れ「人はとかく自分を中心に考え妄信するものですが、自らを律し、勤勉で誠実であることを心掛けなければなりません」と説かれました。また、井伊直弼が残した一期一会の精神に触れ「茶席では差別区別はありません。主がもてなしの心をもってお茶を差し上げれば、客はその心を汲み、出された正面を避けていただく。そこで主と客が一体化します。そのような和やかな空間には争いはおきません」と和みの世界の必要性を語られました。