太皷谷稲成神社献茶式

献茶式

―千 宗室家元奉仕―

 令和5年11月13日(月)、島根県鹿足郡(かのあしぐん)の太皷谷稲成神社において、鎮座250年を記念した献茶式が千 宗室家元の奉仕により執り行われました。

 「日本五大稲荷」の一つに数えられる同社は、安永2年(1773)に津和野藩主七代亀井矩貞(かめいのりさだ)公が、藩と領民の安寧を祈願するため、津和野城の鬼門にあたる太皷谷の峰に、伏見稲荷大社から稲荷神を勧請したのが始まりです。江戸時代、この辺りには時刻を知らせる太鼓が鳴り響いていたことから「太皷谷」と呼ばれ、稲成の「成」には矩貞公の思いにより大願成就の意味が込められています。造営当初より、藩主亀井家の祈願所として維持されましたが、廃藩後は広く庶民が参拝できるようになり、現在では島根県で出雲大社に次いで多くの参拝者が訪れています。

 午前10時、家元は本殿に入り、点前座に着座。献炭の儀に続き、濃茶と薄茶を謹点し、ご祭神に捧げられました。

 献茶式に際して、宝物殿二階に淡交会岩国支部(柏原伸二支部長)担当の濃茶席が、三階に石見支部(岡田久樹支部長)担当の薄茶席が設けられ、参列者に一碗が呈されました。

濃茶席(岩国支部担当)
薄茶席(石見支部担当)