東大寺献茶式

献茶式

―千 宗室家元奉仕―

 令和5年10月14日(土)、奈良市の東大寺において、千 宗室家元の奉仕により、開山である良弁僧正の1250年御恩忌法要に伴う献茶式が執り行われました。

 同寺のご本尊は、「奈良の大仏」として知られている廬舎那仏(るしゃなぶつ)坐像です。盧舎那仏とは、智慧の光で世界を遍く照らす仏であると大乗仏教の教典『華厳経(けごんきょう)』に説かれています。天平17年(745)、聖武天皇は仏の加護による国の安泰を目指し、盧舎那仏の造顕を発願しました。当時、良弁僧正は東大寺の前身寺院の一つである金鐘寺(きんしょうじ)(現在の法華堂)で『華厳経』布教の中心的役割をつとめ、大仏の建立に尽力し、その功績により初代別当(住職)に補任されたといわれています。

 午前10時、家元は、伊住宗禮様とともに進み、大仏殿前に設けられた点前座に着座。僧侶が声明を唱える中、濃茶・薄茶を謹点し、ご本尊に捧げられました。