東大寺献茶式

献茶式

― 千 宗室家元奉仕 ―

 令和5年5月3日(水)、奈良市の東大寺において、千 宗室家元の奉仕による献茶式が執り行われました。

 同寺は、華厳宗の大本山寺院で、ご本尊は奈良大仏として知られている盧舎那仏(るしゃなぶつ)です。神亀5年(728年)、聖武天皇と光明皇后が、幼くして亡くなった皇子 基王の菩提を弔うため、若草山の麓に創建した「金鍾山寺(きんしょうさんじ)」が前身とされています。天平13年(741年)、聖武天皇により国分寺建立の詔が発せられたことを受け、金鍾山寺は大和国の国分寺兼総国分寺となり、「金光明寺(こんこうみょうじ)」と改められました。なお、「東大寺」の寺号が用いられるようになったのは、大仏の鋳造が始まった天平19年(747年)頃からとされています。

 午前11時、家元は大仏殿に進み、点前座に着座。濃茶と薄茶を謹点し、ご本尊に捧げられました。

 献茶式に際して、本坊奥之間に今日庵担当の拝服席、副席として真言院境内勧学院に東大寺担当の薄茶席、大仏殿西庭集会所に信貴山成福院貫主の鈴木貴晶氏(淡交会参事・奈良支部副支部長)担当の薄茶席が設けられ、参列者に一碗が呈されました。

拝服席(今日庵担当)
副席(東大寺担当)
副席(鈴木貴晶氏担当)