― 千 宗室家元奉仕 ―

　令和7年10月30日(木)、京都市右京区の天龍寺において、千 宗室家元の奉仕により、開山毎歳忌に伴う献茶式が執り行われました。

　臨済宗天龍寺派の大本山である同寺は、暦応2年(1339)、後醍醐天皇の菩提を弔うために足利尊氏が夢窓疎石(むそうそせき)を開山として離宮・亀山殿を寺院に改めたことに始まります。巨額の造営費を賄うため、鎌倉時代中期に起きた「元冦」以来途絶えていた元との貿易が再開され、室町幕府公認のもと元へ派遣された貿易船は「天龍寺船」と呼ばれました。

　午前10時、家元は大方丈に入り、点前座に着座。濃茶と薄茶を謹点し、ご本尊の釈迦如来像に捧げられました。

　献茶式に際して、祥雲閣に今日庵担当の本席、友雲庵に淡交会京都東支部(佐竹力總支部長)担当の副席、多宝殿に裏千家学園茶道専門学校茶道科担当の副席が設けられ、参列者に一碗が呈されました。