許状・資格について(修道案内)
修道のご案内
-修道課程(許状種目)と取得できる資格-
入門されたら初歩の稽古から始まり段階を追って進んでいきますが、稽古の各段階ごとに学ぶことを許可する「許し状」のことを「許状(きょじょう)」といいます。身につけて学び終えた証(あかし)、すなわち修了証やライセンス(免許)を意味するものではありません。
裏千家では「許状」のほかに、その修道の度合いによって「資格」制度を設けています。これは茶道の修道者としての習熟度を表すものです。平成12年に広く一般社会にも分かりやすい名称・制度に改定されました。これにより入試の願書や就職の際に提出する履歴書に明記しても社会的な理解が得やすくなりました。
また、教授者にとっては、この「資格」によって弟子の許状申請のできる範囲がきまります。
以下に「許状」と「資格」の一覧表を示しますので、修道上の目安(どのくらいの期間で、どの許状・資格が取得できるのかという目途)としてください。概要の欄で使用している用語は難しい表現もありますが、修道の課程で理解できるようになります。
修道期間の目安につきましては先生の指導方針や本人の習熟度にもよります。先生は修道期間の目安を参考に稽古を進めてください(実際の修道期間は、毎月の稽古回数や本人の修道意欲によって変わります)。
前述のとおり「許状」は稽古の「許し状」ですので稽古場に入門されたら、できるだけ早い時期に「初級」三種目の許状を取得してください。
その後は、概ね入門後2年から3年で「行之行台子」、7年程度を目途に「茶名・紋許」の申請ができるよう稽古を進めてください。
許状申請にかかる費用については師事される先生にご確認ください。許状種目と資格
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許状種目 | 概要 | 資格証 (申請条件) |
修道期間の目安 |
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にゅうもん 入 門 |
最も基本となるおじぎの仕方から始まり、割稽古(わりげいこ)と呼ばれる部分稽古を修得して、はじめてお茶を点てることになります |
三種目の 初級 |
2年〜3年 |
こならい 小 習 |
前八ヶ条と後八ヶ条の十六ヶ条の習い事であり、茶道の基本を養う上で最も必要な課目です | ||
ちゃばこだて 茶箱点 |
茶箱(ちゃばこ)と呼ばれる箱を使って行う点前(てまえ)であり、季節により種類があります 取得することで初級の資格が得られます |
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さつうばこ 茶通箱 |
二種類の濃茶(こいちゃ)を同じ客に差し上げる場合の点前です 四ヶ伝の一つ |
五種目の 分割申請も可 初級申請時に 中級 |
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からもの 唐 物 |
茶入(ちゃいれ)が唐物(からもの:中国産)の場合の扱い方です 四ヶ伝の一つ |
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だいてんもく 台天目 |
天目(てんもく)茶碗を台にのせて扱う点前です 四ヶ伝の一つ |
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ぼんだて 盆 点 |
唐物茶入が盆にのった場合の点前です 四ヶ伝の一つ |
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わきんだて 和巾点 |
名物裂(めいぶつぎれ)、拝領裂等をもって作った古帛紗(こぶくさ)の上に、袋に入れた中次(なかつぎ)をのせて扱う点前です 取得することで中級の資格が得られます |
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ぎょうのぎょうだいす 行之行台子 |
別名「乱かざり」ともいわれ、奥秘の基礎となるものです 行台子をもって行います |
「和巾点」から 三種目の 分割申請も可 上級(助講師) |
3年以内 |
だいえんそう 大円草 |
大円盆(だいえんぼん)をもって行う格外の奥秘の手続きです | ||
ひきつぎ 引 次 |
取得することで上級(助講師)の資格が得られます |
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しんのぎょうだいす 真之行台子 |
一名「奥儀」といわれるもので、行之行台子を充分に修得できた者に許されます 真台子(しんだいす)をもって行うもので、奥儀の根本となる重い習い事です |
「引次」から 三種目の 分割申請も可 講師 |
3年以内 |
だいえんしん 大円真 |
大円盆をもって真台子で行う格外の奥秘の手続きです | ||
せいひきつぎ 正引次 |
取得することで講師の資格が得られます |
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ちゃめい・もんきょ 茶名・紋許 |
茶名は利休居士以来の歴代家元の「宗」の一字をいただくものです 修道を通じて資質を備えられた方に授与されます 取得することで専任講師の資格が得られます |
「正引次」から 専任講師 |
★適時 |
じゅんきょうじゅ 準教授 |
取得することで助教授の資格が得られます |
「茶名」から 25歳以上 助教授 |
適時 |
★茶名・紋許は入門後7年程度を目途に申請できるよう稽古を進めて下さい
行之行台子の許状を取得された方は、一般社団法人 茶道裏千家淡交会に正会員として入会していただき、研究会や行事を通じて裏千家茶道を学ぶと共に同門社中との交流の輪を拡げてください。
平成12年以前の許状をお持ちの方でも、資格証のみの発行申請ができます。先生を通じてお申し込みください。
(平成25年5月まで発行の資格証は以下をご覧ください)
資格証
- 平成25年5月まで発行の資格証