第51回裏千家ハワイセミナー
7月17日(月)から23日(日)、千 玄室大宗匠出席の下、第51回裏千家ハワイセミナーが開催され、天江喜七郎 淡交会顧問を団長とする同門社中100名が参加しました。また本年も裏千家茶道を熱心に学ぶ全国の大学から4名の学生が招待されました。
1972年、大宗匠(当時、家元)よりハワイ大学へ茶室「寂庵」、茶庭「清苑」が寄贈されたことを機に始まった裏千家ハワイセミナーは本年で51回目を迎え、
大宗匠・ハワイ大学教授・イースト・ウエスト・センター(EWC)講師による講義、淡交会ハワイ協会やハワイ大学茶道部との交歓茶会などの恒例行事に加え、本年は百歳になられた大宗匠がカワイアハオ教会にて献茶式を執り行われました。
◇結団式
17日(月)、ホノルルに到着した参加者はハレクラニホテルに参集し、結団式が行われました。
結団式では大宗匠が歓迎のことばを述べられたのに続き、天江団長が挨拶。団員は大宗匠を囲んで歓談し、セミナーに向けて互いに交流を深めました。
◇大宗匠様百寿献茶式
18日(金)、オアフ島最古であり「王族の教会」としても知られるカワイアハオ教会において百寿献茶式を厳修。
大宗匠は祭壇前に設えられた点前座に進まれ、2碗を献じられました。
夕刻からはシェラトン・ワイキキ・ホテルにおいて大宗匠主催の晩餐会が開催され青木 豊在ホノルル日本国総領事夫妻、マーク・レクテンウォルド州最高裁判所長官夫妻はじめ多数の来賓、ハワイ協会役員、団員等約200名が出席しました。
◇ハワイ協会懇親茶会
19日、JCCH(ハワイ日本文化センター)内の茶室「星光庵」に濃茶席、同センターのラウンジに薄茶席が掛けられ、団員は大宗匠の百寿にちなんだお菓子と心づくしの一を楽しみました。
濃茶席 於・星光庵
薄茶席 於・ラウンジ
◇ハワイセミナー大学講義1日目
20日(木)、ハワイ大学内キャンパスセンターボールルームにおいて講義1日目が開講。ハワイ大学アウトリーチカレッジ副学部長ステファニー・ヴァイ博士が歓迎の挨拶とともに、大宗匠にレイを贈りました。
その後、大宗匠が開講挨拶に続いて講義。コロナ禍やその後の厳しい世界情勢のなかでも、各国で以前と変わらずお茶を楽しんでいる様子に触れ、「エンジョイ オブ ティー」の心を忘れないでほしいと話されました。
続いてハワイ大学 ジョン・ローザ博士より「A History of Hawaii」の演題にて講義がありました
終了後、ワイアラエカントリークラブに場所を移し、ハワイ協会交歓昼食会が開催されました。伝統あるクラブハウスの素晴らしいロケーションのもと食事を楽しんだ後、協会から大宗匠へのお祝いのケーキが配られ、各テーブルでは協会員がココナッツの実を削ったボールで一服を振る舞いました。
◇ハワイセミナー大学講義2日目
第3講目は伊住宗禮様が「裏千家今日庵の茶室建築」と題し講義。茶室の歴史的な成り立ちと変遷についてわかりやすく説明された後、写真を用いて裏千家の各茶室について解説。遺跡としてではなく、生きた建築物として存在していることに意義があると語られました。
その後、イースト・ウエスト・センター(EWC)よりチャールズ・モリソン博士が「Chado and Aloha : Seeking Peace in a Dangerous World」の演題にて講義。
修了式では大宗匠から修了証が各団員に手渡され、ハワイ大学、EWCからも修了証が授与されました。
セミナー終了後、団員はハワイ大学茶道部、茶道部OB青年部との交歓茶会に参加。
ハワイならではの取り合わせと景色を楽しんだ後、「ハミルトンライブラリー」で開催されているハワイ大学の100周年と大宗匠の足跡を追った展示を見学しました。
ハワイ大学茶道部席 於・寂庵
ハワイ大学茶道部OB青年部席 於・カレッジヒル
22日(土)、23日(日)には裏千家ハワイ出張所内の茶室「汎洋庵」にてハワイ協会とハワイ大学茶道部による呈茶席が設けられ、一を通じた交流を深めました。
23日夕刻からはブレーカーズホテルのプールサイドにてサヨナラパーティが開催されました。
大宗匠を囲み、食事を楽しみながら心行くまで最後の夜を満喫しました。