第75回裏千家茶道国際セミナー

各種講習会案内

 令和元年12月14日(土)、15日(日)の2日間、茶道会館および裏千家学園において、第75回裏千家茶道国際セミナーを開催しました。
  同セミナーは、英語での茶道紹介や指導方法を学ぶことを目的とした実践的なプログラム構成となっており、昭和56年に第1回が開催されて以来、2000名以上が受講しています。今回のセミナーには、定員を大きく超える応募者の中から30名が参加しました。
  開講式冒頭、弘田佳代子淡交会総本部国際部部長より挨拶があり、その後、受講生は英語で自己紹介を行いました。茶道の魅力を海外の方々に伝える為の適切な英語の表現を学びたい、英語で茶道紹介を行う際のプレゼンテーションの方法を学びたい、海外での茶道普及活動に役立てたい等、自身の目標やセミナーに対する熱い思いが語られました。

開講式
英語での自己紹介

 セミナー1日目は裏千家センター内の虚心庵にて、トーマス・カーシュナー和尚による禅講義と坐禅体験から始まり、続いて裏千家茶道の海外普及活動に関する講義が行われました。

座禅体験
海外普及活動についての講義

 午後からは、宗家拝観と平成茶室にて呈茶が行われました。

宗家拝観

  続いて、講師による模範デモンストレーションがあり、その後、3つのグループに分かれてディスカッションが行われました。このグループディスカッションは、英語で茶道をより分かりやすく伝える方法について話し合うものであり、2日目のプレゼンテーション実習では実際にグループ毎に茶道紹介を行います。
  講師から点前を説明する際のポイントやよく使われる表現などのアドバイスを受けつつ、それぞれの茶道に対する思いや知識、経験を交えながら真剣な意見交換が行われ、1日目のプログラムは終了しました。

講師陣によるデモンストレーション

グループディスカッション

 2日目はまず、前日に引き続きグループディスカッション形式で最終打ち合わせを行い、受講生はプレゼンテーション実習(午前の部は立礼形式、午後の部は四畳半形式)に臨みました。グループ毎のメンバー同士で協力し合い、亭主、客、解説の役割に分かれて発表を行いました。発表後は講師陣からアドバイスや注意点等のフィードバックを受けると共に、他グループのプレゼンテーション見学をすることで、より一層の理解を深めました。

プレゼンテーション実習(午前の部)
プレゼンテーション実習(午後の部)

  閉講式では、受講生を代表して伊藤きみ子氏(福島支部)に修了証を、中井川蘭氏(東京第六東支部)に記念品を授与され、酒井尋子氏(帯広支部)が謝辞を述べました。
  2日間のセミナーを通じて、英語で茶道を伝える方法だけではなく、茶道に対する姿勢や考え方を改めて学ぶ機会となった様子でした。受講生からは、「英語で茶道を紹介する方法を学ぶことができ、大変充実した2日間だった」、「同じ志を持つ仲間と知り合うことができて良い刺激を得られた」、「今までに外国語での生活は経験したことはあったが、今回のセミナーは全く異なるもので、大変有意義で貴重な経験となった」等の感想が聞かれました。受講生の中には既に英語による茶道紹介を実践されている方も多く、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えた声も多く聞かれました。

 セミナーを修了した受講生の多くは「裏千家インターナショナルアソシエーション(UIA)」に入会し、裏千家茶道の外国人への紹介や海外普及に貢献しています。茶道を通じた国際交流において、受講生の今後の活躍が期待されます。