レッスン風景

ホテルニューオータニ博多教室


レッスン風景6

 ついに最後の月、9月のお稽古も終わってしまいました。
 足がしびれてヨレヨレになったり、冷や汗をかいたりしながらも毎週楽しみに通ってきた教室やお友達ともお別れです。

 9月はこれまでにもまして、本当に矢のように過ぎ去った気がします。9月の3回のお稽古で、濃茶の頂き方の復習と薄茶平点前の総まとめ、立礼のお稽古、そして修了式と気がつけば終わってしまったという感じでした。個人的にはやっと帛紗さばきや茶碗の扱いなどがつっかえずにできるようになってきたところでした。柄杓の扱いなどは、まだ先生が横で声を掛けてくださらないと、固まってでくの坊になってしまうといった有り様のまま最後の月を迎え、焦るような、浮足立つような気分で過ごすことになりました。

 私よりも、ずっと飲みこみが良くお点前を見ていても美しく仕上がっているなと思う方々でもその気分は同様だったようで、「もう終わってしまうの」「棚でのお点前をおぼえたと思ったら、お運びのやり方を忘れてしまった」などの声が聞かれました。9月に新しく教えていただいたのは立礼のお点前ですが、一つ一つの動作を取り出してみれば基本的にはこれまでのやり方と変わりなく、やはり割稽古をしっかりして流れを頭に入れることが大事なのだと思いました。

 修了式には幹事長から一人一人に許状をいただきました。自身を振り返るとおこがましい気もするのですが有り難く頂戴して全20回の稽古を終えました。この教室で教えていただいたことは茶道の入り口のまた入り口ぐらいの部分でしょうが、それでもこの基本が最も大切であると思いますので、これからも何度も立ち返っていきたいと思います。今後は引き続き先生の教室に通うことにした方、自宅の近くでお稽古を続ける方、しばらくお休みする方と様々ですが、皆この教室で一緒に学ぶことができて良かったという気持ちです。

 ホテル内のお稽古場ということで、なじみとなった軸や茶碗、菓子器など、いよいよ最後となった時には名残惜しく「今までありがとう」と心の中でお別れをしました。

 私の歳ではちょっと遅すぎるかなと思いつつ、折角の機会だからと思い切って参加してみた『初心者のための茶道教室』は、自らの日々の暮らし方や物事に対する姿勢や態度を振り返り、今までより少しだけ「きちんと」するという意識をもたせてくれました。これからもその意識を無くさずに毎日を送っていけるようにしたいと思います。
 最後に斉田先生をはじめとしてご指導くださった先生方にお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。


レッスン風景5

 8月のお稽古では薄茶のお点前の復習をしつつ、花月の練習や濃茶の体験をすることができました。

 花月は札を引きながらそれぞれの役割を決めるので、動きがあって面白いのですがこれまでみんなで一斉にお稽古していたお点前を、役札に当たれば一人でやらなければいけないので緊張も大変なものです。
 なるべく全員、一度はお茶を点てる役、飲む役が回ってくるようにと先生が案配してくださったため、もちろん私にも回ってきましたが、点前座に座ると頭が真っ白になり完全に固まってしまって、先生が所作を逐一仰ってくださるのに従うだけで精一杯でした。また客役の時でも次の役を決める札を回したり、席を移動したりとこちらも忙しく、ぼーっとしてはいられません。

 人気作家の東野圭吾氏の作品で雪月花之式を行っている最中に殺人が起き、そのゲーム性が謎解きを難しくするというミステリー小説がありました。今回、花月のルールが分かって読み直すと一段と面白く、思いがけない収穫でした。

 濃茶は薄茶で使用するよりも更に上質のお茶を挽いたものを使って、とっぷりと濃厚なお茶を回し飲みして味わいます。私たちは先生が練ってくださったものをいただいたので、リラックスして楽しむことができました。本来は濃茶の席はより厳粛な雰囲気を重んじると何かに書いてあったようにも思いますが、初めてということで濃茶の味についての感想や茶碗に関する質問など、お喋りも交えての楽しい体験となりました。
 濃茶はもう一回お稽古の予定ですので、次はそれぞれの所作を意識していただいてみたいと思います。

 次回はもう最終月、9月に入ります。終わりが見えてきてもいまだ点前座についてからの手順すらあやしい私ですが、最後まで楽しんで全回出席を目指します。


レッスン風景4

 7月のお稽古は3回でしたので、あっという間に過ぎた感じがします。
 うっとりするほど淀みない動作で、もう完成したお点前に見える方もいらして、そうやって点てられたお茶をいただくと、こちらも一段上等の人間になったような気持ちがします。
 私自身はいまだに先生から間違いを指摘されずに終わる日はありませんが、それもまた他の方々のお勉強にもなるだろうとマイペースです。
 かように習熟度は人それぞれですが、皆このお稽古から、さらにお茶や日本文化への興味が広がっていて、外でお茶をいただける機会があれば出向いたり、着付け教室を検討したりしています。

 私は自宅の近所のお宅や庭先で、お稽古で使われていた茶花を目にする機会が何度かあり、今まで全く気に留めていなかった草木に心惹かれて、散歩に出るのが楽しくなってきました。

 来月からは復習とまとめの期間となります。
 新しいことも出てくるでしょうが今月までに習った基本をしっかりと自分のものにしなければなりません。
 一つ一つの所作はできるようにはなってきたものの、通しでお点前をすると順番や置き合わせの位置をちゃんと覚えていないので、言われるままのロボット所作になってしまいます。精進して早く人間になりたいものです。
 お盆休みに自宅で一度は稽古をすることを自分に誓って7月を終わります。


レッスン風景3

 6月は蒸し暑かったり土砂降りだったりとお天気の厳しい日が多かったように思いますが、教室では先生のお着物や 茶花、お菓子などからその時期ならではの美しさ、素晴らしさを感じることができました。
 帛紗捌きも慣れませんが、子供の頃のお稽古事とは違い、それで通うのがイヤになるということはなくて毎週楽しみに通って、今のところ皆勤賞です。

 茶花は一般に花屋さんで見るような派手なものはないのですが、茶室にあると正しく「野にあるように」あって、粗末でも華美でもない控え目な美しさが素敵だなと思えてきます。毎回先生が、床の花の名前やその由来などをお話してくださるのもまた興味深いです。

 今月から棚が登場し、道具を棚に飾ったり水次を使ったりと覚えなければならないことは更に増えました。柄杓の扱いも「まだここでは置柄杓、この時は引柄杓」と点前の段階によって取り方、置き方が違うのでなかなか頭に入ってくれません。亭主の間はどうしてもバタバタしてしまうので、客の時にはお菓子を堪能しつつ他の方のお点前を見ながらイメージトレーニングをしています。


レッスン風景2

 5月は祝日もあり、稽古は3回でしたのであっという間でしたが覚えることが更に増えていっぱいいっぱいでした。先月の割稽古とは違って、お運びを一通りやるのでより茶会の雰囲気が増して緊張も高まります。

 また客側としては道具の拝見の作法が加わり、美しい茶碗や棗を失礼にならないようじっくり鑑賞できるようになるのは楽しみですがこれもまた置き場所や扱い方を覚えなければならないのでのほほんとはしていられません。これまでの帛紗の捌き方、道具の清め方などもまだ頭に入っていないので、オーバーフローを起こしそうです。私とは違って物覚えが良いのかきちんと復習をされているのか、とてもスムーズにこなす方もあり、優雅な振舞いに感心したりしながらなんとかついて行けるように努めました。

 先生や他の生徒さんなどをチラチラと見ながら、落ち着いた点前とは程遠いですが、茶筅でお茶を点てる瞬間は美味しいお茶ができるように集中できている気がします。

 客のときはお菓子が楽しみです。今月は菖蒲の色合いを模した生菓子 、新緑に虫が卵を産み付けた風情のもの、そして干菓子をいただきました。

 どれもとても可愛らしく、季節を感じさせてくれるもので美味しさはもちろん、季節を楽しむ気持ちを呼び起こしてくれます。

 先生にご指導をいただきつつお運びを一通りするとかなり時間がかかり、主客交代して2回終わるのはとても2時間では済みません。体が自然に動くまでたくさん稽古してもっとスムーズにできるようにならなければと思います。難しいのですが、そろそろ後半に入るので気を引き締めて頑張っていきたいです。


レッスン風景1

 4月は計4回の稽古でした。私たちのクラスは8名で、最初の回に先生がこれまでの茶道の経験をお尋ねになりましたが、2、3名ほんの少しかじったことがあるという方もいらしたものの、ほぼ全員まっさらな状態で、楽しみな気分と緊張が入り混じります。

 最初回は席に着くまでの所作、道具類の説明、三種類のお辞儀、ふすまの開け閉めなどなど、(私にとっては)怒涛の勢いで新しい情報をあびて軽いショック状態でした。とにかく先生方の所作を目に焼き付けてお隣をチラチラと見ながらなんとかついていかなければなりません。帛紗の扱いに至ってはマジックを見ているかのごとく、ぽかんとしてしまっていつか自分も優雅に扱うことができるのかと少々不安になります。

 2回目も帛紗捌き、道具の清め方などをお稽古しました。前回の復習が多いのですが、まだまだおっかなびっくりです。

 3回目、4回目は盆略点前の稽古でした。半分ずつ、主人と客に分かれてそれぞれの所作を学びました。所作ごとの割り稽古ではありますが、入室から退出までの一通りを行うことでお茶「会」の雰囲気が高まります。重い鉄瓶を握ってお湯を注ぐときはとても緊張しました。美味しいお茶ができるように道具を清め、抹茶に湯を注ぐ亭主の責任の重さでもあるのでしょう。

 4回を終えましたがまだ手順をおぼえるのに精一杯で、所作の美しさを追求するどころではありません。 本人は一生懸命なのです が、右手を使うときには左手への意識が疎かになる、足の運びに気を取られていると頭を鴨居にぶつけるなど、コントのような有り様です。先生方の辛抱強さに感謝しなければなりません。

 掛軸やお花、お菓子もゆったりした気持ちで真に鑑賞し味わえるように早くなりたいと思います。特にお菓子は普段自分では買うことのない生菓子や干菓子で、季節を反映した見た目にも美しいものばかりなので写真を撮っておけばよかったなと思いました。先生も仰っていましたが、お茶を始めると、お花、やきもの、和菓子、着物など他の文化芸術への親しみ、興味にも発展して世界が広がっていくというのは本当にそうなんだろうなと感じます。5月は道具の拝見の作法を学べるようなので来月も楽しみにしています。

お菓子の取るときの箸の扱い

お菓子を差し上げて戻ります

今回は干菓子なので手でいただきます

帛紗の扱いはまだ難しいです


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