レッスン風景

からすま京都ホテル教室


レッスン風景5

 許状の授与式が9月20日に行われました。半年前の開校時は、まだ少し肌寒いけれど春の訪れがすぐそこまでやってきているのを感じるような季節でした。まともに正座もできず、すぐに足が痺れてしまう有り様でしたが、この半年のお稽古で 自然と2時間正座ができるようになっていました。お辞儀の練習や帛紗捌き、お道具の扱いなどから始まり棚の薄茶点前まで、及第点をいただきましたが、これからも精進してお稽古に励みたいと思います。

 皆神妙な顔つきで許状をいただきましたが、受け取った後はとても嬉しそうな顔で初めて見る許状に興味津々でした。この半年間、皆急用がない限りお稽古には休まず参加いたしました。全員がつつがなく許状をいただけたのは、ひとえに中野先生と小畑先生の熱心なご指導に加えいつも暖かく迎えてくださったお人柄のおかげです。心より感謝いたします。

「初雁」

 最後のお稽古のお菓子は中野先生一押しの「初雁」です。秋の空に雁が群れをなして到来する様を黒糖風味の葛を用い、雁に見立てて百合根を散らしています。黒糖の風味に百合根のアクセントがとても美味しく、秋を想わせるお菓子です。中に餡が入っておらず黒糖のビターな甘さとプルプルの葛だけのシンプルなお菓子で、見た目以上にさっぱりとしていていくらでも食べたくなるお菓子でした。


レッスン風景4

 8月は棚と用いてのお稽古です。皆様しなやかな手つきで柄杓を扱っています。普段は優しい中野先生も、お稽古中は厳しい目で一つ一つの所作を指導されています。何とか運び点前をこなしておりましたが、新たに棚点前のお稽古が始まると、新しいことだけでなく、運びの点前と重複している部分すら右往左往してしまい反省しきりです。

「丸卓」

「更好棚」

 先生から丸卓と更好棚の陰陽について説明を受けました。点前だけでなくお道具の由来なども毎回細かくお話してくださるので、どんどん茶道の奥深さに惹かれていきます。

「恭敬」

 本日のお軸は「恭敬」
 朱子の『小学』に安詳恭敬という言葉があります。「子供には、〈安〉物静かで落ち着きがあり、〈詳〉物事をいい加減にせず細やかな配慮を身につけさせ、〈恭〉厳かでみだらな振る舞いをしないことを教え、〈敬〉心に慎みを持つこと」の四つを教えることが大切であるという意味があるそうです。
 普段の生活においても礼節を弁え、この言葉をしっかりと心に刻み、お稽古に励みたいと思いました。

「桔梗」

 主菓子は秋の七草のうちの一つ、桔梗にちなんだ意匠です。二十四節気の立秋にぴったりです。

 秋の七草は山上憶良が詠んだ
 「秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
 「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌(桔梗のこと)の花」
 の二つの歌が元になったとのことです。恥ずかしながら私は桔梗が秋の七草ということを存じませんでした。

お花「秋海棠と撫子」
花入「信楽焼」

 本日の花は秋海棠と撫子。
 秋海棠は江戸時代に観賞用・園芸用として持ち込まれ、ハート形の葉の片方だけが大きくなる所から「片思い」の花言葉があるらしく、ロマンティックで可愛らしいと感じました。つぼみが開くのを見届けられず残念です。


レッスン風景3

 今月は風炉薄茶運び点前のお稽古です。割り稽古は何とかできるようになってきましたが、お点前の手順はまだ忘れてしまうことがあります。
 背筋を真直ぐに伸ばし、底に顔が映るように柄杓を構えます。厳かな気持ちになり気合が入ります。

 表面は葛、中は黒こし餡です。七夕にちなんだ天の川を表現したお菓子です。金箔の星々が照明の加減でキラキラと点滅します。海でも空でもない吸い込まれるような宇宙の青さです。眺めていると私も宇宙空間にいるような不思議な気分になりました。

「花発不萌枝」

 不萌枝は芽が出ない枝で、芽が出ない枝に花が開くという禅語だそうです。

 「不萌枝上花開無影樹頭鳳舞(不萌(ふほう)枝上(しじょう)に花開き(はなひらき)、無影樹頭(むようじゅとう)に鳳舞う(ほうまう))」

 想像しようにも我々人間が持っている知識や常識ではとても想像できない情景を表しておりますが、禅の境地とはその常識を超えたところを体験すること。これこそが無心のはたらきです。

  この禅語の意味をいつか悟ることができるのでしょうか。


レッスン風景2

 今月は盆略点前のお稽古です。

 少しずつ正座にも慣れ、席入りから拝見までスムーズにできるようになりました。釜も用意され、気分も高まります。
 こちらのクラスには男性の生徒様もおられますが、着物姿でレッスンを受けられています。男性のお点前も凛々しく素敵ですので、もっと増えてほしいですね。

 小畑先生はどの角度から見ても美しいのですが、後ろ姿までもとても美しいと感心しきりです。

「雨音」

 表面に氷餅をまぶしてあり、中はあっさりとした白餡です。

 紫陽花の美しさを見事に和菓子で表現されています。「雨音」という響きも美しいお菓子です。

 お稽古の時に今日のお菓子は何だろうと箱を開けるのが楽しみになりました。柔らかで繊細なお菓子を黒文字でそっと銘々皿やお懐紙に乗せる時、お抹茶を点てるとき、自分の心も柔らかな気持ちになっていることに気付きます。

「一啜洗心腑」

 今回はお茶碗の絵が描かれた可愛らしいお軸です。

 ご一服どうぞ、あなたの心の底までもきれいに洗ってあげましょう、という一句だそうです。

 お点前も大事ですが、飲んでいただく方においしいと思っていただけるように、気持ちを込めてお茶を点てたいと思います。

 まるで絵画のような美しい佇まいです。

 花は野にあるようにと言われますが、野から摘んで趣のある花瓶に活けると芸術に昇華されると感じます。いつかこのように美しく活けられるようになりたいものです。


レッスン風景1

 いよいよ開講です。

 慣れない正座の心配と茶室への緊張で前日からそわそわしていました。まずは自己紹介から始まり、正座とお辞儀の練習へと進みました。
 ご指導くださるのは中野先生と小畑先生です。

 本日のお稽古で難しかった「真」のお辞儀です。礼に始まり礼に終わる、大事な所作です。自分では真っ直ぐのつもりでも首だけを曲げてしまいがちになります。中野先生のご指導で美しい姿勢で挨拶ができるようになりました。

「柳」

 柳の焼き印が入った道明寺粉の主菓子です。表面に氷餅をまぶしてあります。今の時期にぴったりの爽やかなお色です。
 見た目はシンプルですが、あっさりとした上品な甘さの餡と求肥のもっちりとした食感に、おもわず「おいしい」と声が出てしまいました。
 これからのお稽古が楽しみです。

「閑坐聴松風」

 心が急いていれば気付かぬことが多い中で、 静かに坐して耳を済ませば、澄み渡った音が聴こえて来る。すなわち自然の真理が見えてくるという意味の禅語です。慌ただしい毎日の中にも、少しの時間でも自分の心と対話するゆとりを持ちたいものです。

花入れ「志野焼」
茶花「乙女椿と花筏」

 離れていてもわかるほどツヤツヤの乙女椿の葉に目を奪われました。どの角度から眺めても美しく活けられていて、いつまでも眺めていたくなります。
 心配していた通り、やはり足のしびれが辛かったです。先生と一緒にアキレス腱を伸ばすストレッチをして終了です。あっという間の二時間でした。


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