茶道資料館 展覧会
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令和6年春季特別展
裏千家今日庵の茶室 寒雲亭ものがたり
併設展 日本語と英語で学ぶ茶道具入門
裏千家の茶室・寒雲亭(かんうんてい)は千家3代・宗旦好みと伝えられ、裏千家の代表的茶室である今日庵(こんにちあん)や又隠(ゆういん)と同じく、早くから裏千家とともに歴史を歩んできました。
江戸時代初めに活躍した絵師・狩野(かのう)探幽(たんゆう)が宗旦の留守中に勝手に上がり込み、一気呵成に寒雲亭の襖に八仙人を描き上げようとしたものの、宗旦の帰宅に驚いた探幽は左手を右手と描き違えたとする逸話があり、「手違い」の襖絵として親しまれてきました。江戸時代後期には、裏千家10代・認得斎が、御所の絵画制作にも携わった絵師・鶴澤探泉(つるさわたんせん)に依頼して襖絵の写しを作り、さらに、裏千家11代・玄々斎は自ら筆をとって写しを制作しています。 2種の写しが作られたことに加え、自らを「寒雲主」などとする裏千家歴代も多く、寒雲亭が重要視されてきたことがうかがえます。
寒雲亭を語る上で、桜も欠かせない存在です。宗旦遺愛と伝わる「寒雲桜」を使用した茶道具や、寒雲亭襖絵の桜を詠んだ歌を書いた掛軸なども伝来しています。
本展では、3種の寒雲亭襖絵を紹介するとともに、宗旦の茶室造営、宗旦と探幽の関係、寒雲亭の登場する遠忌記録や絵図、寒雲桜にまつわる茶道具等に着目し、寒雲亭を軸に裏千家の歴史をたどります。
併設展では、茶道具について日本語と英語で分かりやすく解説します。