茶の歴史

  • 珠光
    珠光

    (奈良 称名寺蔵)

  • 武野 紹鷗
    武野 紹鷗

    (奈良県立美術館蔵)

茶を飲む習慣は、平安時代に最澄(さいちょう)空海(くうかい)といった僧侶によって中国(唐)より伝えられたと言われています。鎌倉時代になると臨済宗を伝えた栄西(ようさい)も宋代の喫茶法である抹茶を伝えました。我が国最古の茶書とされる『喫茶(きっさ)養生記(ようじょうき)』を記したことでも有名です。
 室町時代になると、度々禁令も出されるほどに中国渡来の美術品を愛玩する唐物(からもの)趣味の茶が流行します。その中にあって八代将軍足利義政(あしかがよしまさ)の時代に登場した珠光(しゅこう)(1422-1502)は、国産の茶道具にも目を向けて不足の美を見いだすなど、深い精神性に基づいた草庵の茶の湯を志向した人物です。この精神を受け継いだのが、武野紹鷗(たけのじょうおう)(1502-1555)であり、さらに哲学的・審美的に思想を深めて茶の湯文化を大成したのが、千利休(せんのりきゅう)(1522-1591)だと言われています。


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