社団法人茶道裏千家淡交会第104回全国総会
理事・参事合同会議

千 宗室名誉会長、平成17年度・18年度家元指導方針を教示
平成17年度事業計画案・収支予算案・講師派遣日程案・理事選任を決議


  晩秋の彩りに染まる11月25日、京都市東山区にあるウェスティン都ホテル京都において、平成16年度 社団法人茶道裏千家淡交会第104回全国総会、並びに理事・参事合同会議が開催されました。
  淡交会において年2回開催される定期総会は、全国の支部長が出席、社団法人としての活動を出席者の合意をもって決定するもので、秋に開催される総会は、主に次年度の事業計画とそれに基づく予算案が上程され、諮られます。




  千 宗室名誉会長、千 玄室理事長、千 容子副理事長はじめ、理事・監事等役員、参事・参事補・特別参事、地区長、そして全国165支部2支所の支部長、幹事長が総会に出席。
  名誉会長である千 宗室家元より平成17年度・18年度家元指導方針が教示されるとともに、平成17年度事業計画・予算等が審議され、来年度の淡交会の方向性が示された重要な総会となりました。





《理事・参事合同会議》
  総会に先立つ午後1時より、理事・参事合同会議を開催。理事17人・監事2人、参事・参事補・特別参事80人が出席。
冒頭、利休大居士、歴代宗匠、10月14日逝去された故納屋宗淡副会長(清龍院玄中宗淡居士)、ならびに淡交会役員・会員の霊位に対して黙祷が捧げられました。
  会議は、千 玄室理事長が議長を務められ、議事を進行。
  千 玄室理事長は、「淡交会の総会も104回を迎えます。長い歴史と伝統に立つ淡交会を拡充するとともに、これからの課題は内容・質を充実させていくこと。質の向上こそが将来につながる重要な方策です」と話されました。


理事長あいさつ


  続いて、千 宗室名誉会長が、「組織はしっかりとした縦社会のうえに、織物のように上手に横糸が交わっていないと美しい色合いは出てきません。縦と横のバランスが取れているか、今一度見渡していただきたい。そして、次の世代を見据えながら、淡交会がしっかりとした組織として居心地の良い場所となるよう、様々なご示唆をいただきたい」と挨拶され、さらなる協力を求められました。
  次に、淡交会理事の納屋宗人氏が、納屋宗淡宗匠への弔意に対して謝意を述べられ、「父は亡くなりましたが、残された家族が父の遺志を継いで頑張ってまいります」とご挨拶。

  宗家報告・淡交会総本部報告に続き、議案審議。上程された議案すべては、満場一致で承認可決、総会での審議へと引き継がれ、最後に、千 容子副理事長が閉会のことばを述べられました。

閉会のことばを述べられる千 容子副理事長





《総 会》
  総会は午後2時45分から「瑞穂の間」において開催。
  総支部数165支部2支所の内、出席は149支部2支所、委任状提出は16支部。
  千 宗室名誉会長、千 玄室理事長、千 容子副理事長はじめ、理事・監事等24人、参事・参事補・特別参事80人、そして、地区長・支部長・副支部長、傍聴幹事長ら総勢約430人が出席。




議長席に着かれる後藤議長ら 総会出席者


  千 容子副理事長の開会宣言の後、議長に博多支部支部長の後藤豊彦氏、副議長に福島支部支部長の下田穰一郎氏、八幡浜支部支部長の吉見弘晏氏を選出。続いて、議事録署名委員に、釧路支部支部長の清水幸彦氏、高岡支部支部長の荒井公夫氏を選出して議事が進められました。

  最初に、千 玄室理事長より挨拶があり、「今年は天候不順で、台風や地震など大きな被害をもたらしました。被災された方々には心よりお慰め申し上げます」と挨拶。
  次に、千 宗室名誉会長より挨拶並びに平成17年度・18年度家元指導方針の教示。
家元は「皆様方と共に手を取り合い、足並みをそろえて、良い茶人としてこの道を歩むべく力添えをお願いしたい」と語られました。


  ◎家元指導方針は次の通り。

一、良い先生の育成とそれに伴う良い社中づくり
    ―より良い茶道人になることを目指そう

一、淡交会の意義の再確認
    ―稽古場から支部・地区まで、共に生きる場のメンテナンスに努めよう

一、未開拓分野への取り組み
    ―日本精神の伝承者としての自覚を高めよう





指導方針を教示される家元


◇「平成17年度裏千家学校茶道教育支援事業―茶道具寄贈―」寄贈校の発表と授与
  関根秀治専務理事から本制度と選考経過の説明の後、授与式。対象校36校のうち10校の学校長らが出席、千 宗室名誉会長並びに千 玄室理事長より目録を授与されました。

      ⇒「学校茶道教育支援事業」茶道具寄贈校決定 詳細を見る


家元より目録授与 代表者より謝辞


◇ 諸報告
  諸報告は、宗家報告並びに総本部報告が関根秀治専務理事よりなされました。


◇ 議案審議
  次の4議案が上程され、趣旨説明の後諮られ、すべての議案が満場一致で承認可決されました。

  第1号議案      平成17年度事業計画案に関する件
  第2号議案      平成17年度収支予算案に関する件
  第3号議案      平成17年度講師派遣日程案に関する件
  第4号議案      理事選任に関する件

  ◎新しく就任の理事
  4号議案で新しく理事として2名の就任が可決されました。任期は平成20年2月27日まで。
  櫻井 幸子氏(学習院女子大学講師、淡交会関東第一地区副委員長・
  学校茶道連絡協議会委員長、財団法人国際茶道文化協会理事)
  橋本 宗利氏(株式会社広島ホームテレビ社長、
  淡交会特別参事・中部中国地区副地区長・広島第二支部支部長)

  後藤議長が決議事項を確認。
  千 容子副理事長が閉会の言葉を述べられ、総会は滞りなく終了しました。





  その後、懇親会を開催。宗家を囲み、出席した支部役員が相互の親交を温める和やかな宴となりました。


懇親会で家元挨拶 塚本能交理事(今日庵老分)より乾杯の発声





  この第104回総会で決議された事業計画案・予算案は、平成17年1月1日から実施されます。このたび示された家元指導方針に則り、支部・学校茶道・青年部が一体となり、その趣旨徹底のみならず実践に向けた様々な取り組みが期待されます。