茶道とは

利休七則

 千利休の言葉として伝わるものに、「四規七則(しきしちそく)」があります。 「四規(しき)」とは、茶道の精神を要約した「和敬清寂わけいせいじゃく」という四語の言葉を指します。 また、七則とは、
「茶は(ふく)のよきように()て」
「炭は湯のわくように置き」
「夏は涼しく冬は暖かに」
「花は野にあるように」
「刻限は早めに」
「降らずとも雨の用意」
相客(あいきゃく)に心せよ」
という茶人が心に留めるべき七つの教えから成っています。
それぞれ簡単そうに聞こえますが、実行に移すのは随分と難しいのではないでしょうか。
利休にある人が「茶の湯とは何ですか、教えてください」と尋ねました。
「この七則がすべてです」と応えました。
すると尋ねた人は「そんなことくらいは、三才の赤子でもわかっております」といいました。
利休は「わかっていてもできないのが人間ではないですか。あなたが本当にできるならば、私が弟子になりましょう」と答えたといいます。
 茶道では、このような精神を基本にして、客を招き、心の交流を図ります。その基本を身につけるために稽古を行います。繰り返して「型」を学んでいく中で、自分自身と向き合い、自分なりの形を整えていくのです。