「福岡支部現行青年部発足10周年記念」

- 中国海外青年奉仕隊 -

福岡支部青年部連絡会からの報告

  2002年は、われわれ淡交会福岡支部鴻臚(こうろ)・背振(せぶり)両青年部にとって発足10周年の記念すべき年であります。折りしも日中国交回復30周年の節目にあたることから、宇治川 満支部長を名誉団長、10年前の青年部設立の際、ベトナムへ奉仕隊を派遣した当時の団長である古賀宗公氏を相談役、田中宗頼・青年部連絡会代表を団長として、両青年部より計24名の参加を得て、中国海外青年奉仕隊を結成いたしました。
  今回の最大の目的地である天台山は、800年以上前に、栄西禅師が修行された地。栄西禅師は帰国に際し、茶の種を持ち帰り、青年部名の由来となった背振山や聖福寺にて茶の栽培を始め、その効用と喫茶の風習を広めたことから、天台山は茶道を志す私たちにとって、とても縁の深い茶道発祥の地でありました。


読経風景 古川清一副団長による奉茶


  約1年の準備期間を要しましたが、10月16日にはホテルニューオータニ博多にて結団式を行い、11月1日に福岡を出発、中国へと向かいました。翌日は早朝より天台山へ向かい、予定通り諸準備を完了。天台宗の総本山で最澄や栄西などが学んだといわれる天台山國清講寺にて読経をいただいたあと、古川清一副団長が奉茶を行い、温かく迎えていただいた僧侶の方々に一服差し上げ、茶畑に植樹をさせていただきました。その後、天台山にてお茶会を催し、寧波、上海の市内観光を楽しみ、4日間の日程が無事終了しました。

読経いただいた僧侶の方々に一服 里帰りした背振の茶苗


  鵬雲斎お家元の提唱される「一碗からピースフルネスを」の平和思想のもと、栄西禅師の足跡を辿って、天台山國清講寺・天童寺という素晴らしい地を訪れましたことは、大変感慨深いものでした。我々をこの地に導いてくださった先達に感謝するとともに、里帰りした茶の苗と共に、我々も成長していきたいと心を新たにいたしました。




「今回の訪中は、現在の青年部の基礎を築き支えてくださった先輩たちの意思を継承する意味もありました。何かにつけ易きに流れがちになる私たちですが、青年部会員一人ひとりがまず実践に移し、より高いハードルを乗り越えることが、今後の15年、20年に繋がると思います。初めてのことばかりで大変な面は多々ありましたが、この行事が無事終了したのは個々の努力以上に様々な方の協力があればこそということを心に留め、謙虚な気持ちで今後の青年部活動にのぞんでいきたいと思います。」
(田中宗頼団長の感想より)