茶道裏千家淡交会中南米大会
〜裏千家茶道中南米布教60周年、裏千家淡交会ブラジル協会発会60周年〜

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  平成26年8月29日(金)から31日(日)までの3日間、ブラジル連邦共和国サンパウロ市において中南米茶道布教60周年及び淡交会ブラジル協会60周年を記念して茶道裏千家淡交会中南米大会(主催:茶道裏千家淡交会総本部、主管:茶道裏千家ブラジル出張所、茶道裏千家淡交会ブラジル協会:エリソン・トンプソン・宗尊会長)が開催されました。
  1954年、千 玄室大宗匠は中南米諸国を訪れ、ブラジル、アルゼンチン、ペルー、メキシコに裏千家支部(現在の淡交会海外協会)を設立され、中南米における裏千家茶道の布教活動を開始されました。60周年を迎える今日では中南米各協会はもとより、中南米各地域にて多くの同門社中が裏千家茶道を学んでいます。
  本大会は、2001年の初の海外裏千家同門大会「裏千家世界同門の集い in Hawaii」、2002年のロサンゼルス「裏千家淡交会北米大会」、2004年のメキシコ「裏千家淡交会中南米大会」、2006年のローマ「裏千家ヨーロッパのつどい」に続いての世界大会となります。日本はじめ北米、ヨーロッパ、中南米の各地から約400名の同門社中が参集し、節目の年を盛大に祝いました。

・伯栄庵訪問、日本国総領事館表敬
  29日(金)午前9時、大宗匠はブラジルの裏千家茶道布教の中心を担う茶室「伯栄庵」を訪問。大会参加者約70名とともにブラジル協会からの歓迎を受けられ、心尽くしの一碗を喫されました。大宗匠は引き続き隣接する移民史料館を視察。ブラジルにおける日系移民の歴史についての展示をご覧になりました。

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伯栄庵にて

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移民史料館

  午前10時半、大宗匠は在サンパウロ日本国総領事館を表敬訪問。梅田邦夫駐ブラジル日本国特命全権大使、福嶌教輝駐サンパウロ日本国総領事と面会され、ブラジルと日本の交流について歓談されました。

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表敬訪問

・開拓先没者慰霊碑茶湯の儀
  同日午後1時、大宗匠はイブラプエラ公園にある開拓先没者慰霊碑に於いてお茶湯の儀を厳修。梅田駐ブラジル日本国大使、福嶌駐サンパウロ日本国総領事、羽藤・ジョージ州議会副議長、木多喜八郎 日本文化福祉協会会長、本橋幹久 ブラジル日本都道府県人会連合会会長はじめ来賓各位、大会参加者が見守る中、先没者の御霊の平安と世界の恒久平和を祈念する一碗を捧げられました。
  お茶湯の後、大宗匠の挨拶に続いて本橋会長より挨拶。その後、参列者はブラジル日系移民の方々の足跡に思いを馳せつつ、献花に臨みました。

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お茶湯の儀

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献花

・日本館開館60周年行事
  午後2時、大宗匠はサイブラピエラ公園内日本館において、日本館60周年記念式典(主催:日本文化福祉協会)に主賓として出席されました。
  日本館はサンパウロ市制400周年を記念して桂離宮をモデルに建築され、サンパウロ市に寄贈されました。1954年の開館式には千 玄室大宗匠(当時:千宗興若宗匠)が舎弟の故・納屋嘉治氏と共に出席されました。
  式典には梅田大使、福嶌総領事、羽藤副議長、野村・アウレリオサンパウロ市議会議員はじめ来賓、参加者約100人が出席。日本・ブラジル両国国歌の斉唱後、木多会長、梅田大使から挨拶。続いて来賓祝辞に立たれた大宗匠は、「60年という長い歴史を思うと感無量です。天地に感謝を捧げる茶の湯本来の精神をブラジルでも守り伝えるとともに、日本館を交流の場として次世代に受け継いでいってください」と当時を思い返しながら話されました。
  式典では大宗匠はじめ日本館のこれまでの運営・保全に功績があった26名の方々に功労者表彰がなされる等、60年の節目を寿ぐ意義深い行事となりました。

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記念植樹碑前にて大宗匠挨拶

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功労者表彰

・大宗匠主催晩餐会
  同日夕刻、グランド・ハイアット・サンパウロにて梅田大使、福嶌総領事、羽藤副議長、野村議員、エリソン会長はじめブラジル各界から来賓、参加者約300名を迎え、大宗匠主催晩餐会が開催。晩餐会では大宗匠の挨拶に続き、梅田大使、エリソン会長から挨拶。味戸道雄 淡交会郡山支部支部長の発声で乾杯しました。また、大宗匠からブラジル協会、日本文化福祉協会にお軸が贈呈されました。弦楽四重奏楽団の演奏が流れる中、大宗匠の赴かれるところに常に人の輪ができ、和やかな雰囲気の晩餐会になりました。

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大宗匠挨拶

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梅田大使挨拶エリソン会長挨拶

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味戸支部長による乾杯

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ブラジル協会と文化福祉協会に大宗匠より贈呈

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大宗匠を囲んで

・茶道裏千家淡交会中南米大会
  30日(土)、午前10時よりサンパウロ州政庁であるバンデランテス宮殿で大会式典が開催。裏千家同門社中、来賓、一般市民あわせて約1000名が参加しました。

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バンデランテス宮殿

・第一部:日伯友好・平和祈念献茶式並びに和合の茶会
  開式にあたりエリソン会長より歓迎の辞。両国国歌斉唱の後、大宗匠が日伯友好・平和記念献茶式並びに和合の茶会を厳修。壇上には来賓として梅田大使、福嶌総領事、羽藤副議長、野村議員、木多会長、本橋会長、菊池義治サンパウロ日伯援護協会会長、エリソン会長、ロベルト・ベハル淡交会メキシコ協会会長、有水恵美子淡交会アルゼンチン協会会長、奥山陽子淡交会ペルー協会幹事長が登壇されました。
  大観衆が見守る中、大宗匠は厳かに一碗を点じ、日伯両国国旗、サンパウロ州章に捧げられました。
  続いて、和合の茶会が執り行われ、壇上の来賓方は大宗匠の呈された濃茶を順服。参加者一同、平和と友好を祈念しました。
  初めて茶道に接する方もあり、大宗匠が「一碗を回し飲み、みんなで和を作る精神が茶道の心です」と説明されると、会場は和やかな空気に包まれました。

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エリソン会長挨拶

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日伯友好・平和祈念献茶式

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和合の茶会

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・第二部:記念式典
  主催者挨拶に立たれた大宗匠は、「1954年、茶道布教のためブラジルを訪問しました。当時は、今よりもっと遠くに感じる国でしたが、多くの人々が茶道に励む姿は今でも鮮やかに思い出されます。同門の皆様のたゆまぬ努力と関係各位のご理解、ご協力に深く感謝いたします」と話されました。
  続いて、木多会長、羽藤副議長、梅田大使より祝辞が述べられました。

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大宗匠挨拶

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梅田大使挨拶

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羽藤副議長挨拶木多会長挨拶

  式典では、林 慶太裏千家ブラジル駐在講師夫妻に正教授親授式が執り行われました。林講師は1978年にブラジルにおける茶道布教のため派遣され、以来、ブラジルに於ける裏千家茶道普及・発展に尽力してきました。

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正教授親授式

  続いて、ブラジルに於ける裏千家茶道の普及、淡交会協会の発展に多大な功績のあった団体、個人への表彰が行われました。表彰は、団体が8団体、会員は17名が表彰されました。それぞれ大宗匠から表彰楯と副賞が手渡され、代表して武田宗知氏が謝辞を述べました。

・団体表彰
・ゴールド功労賞(2団体)
  松伯・大志万学院、サンパウロ大学茶道講座

・シルバー功労賞(6団体)
  パルケ・ド・ジャポン、ミナス州ベロ・ホリゾンテ名誉領事館、ブラジル日本文化福祉協会、
  ブラジル日本都道府県人会連合会、ホス建設会社、オフィシーナ・ダス・ペドラス造園

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団体表彰

・会員表彰
・ゴールド功労賞(6名)
  武田宗知、武田・アウグスタ・宗清、カルロス・サンギリ・アーノ・シリロ・宗寿、池田宗美、星・ベルタ・宗中、
  エリソン・トンプソン・宗尊

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ゴールド表彰

・シルバー功労賞(7名)
  須郷宗昭、松原宗美、伊藤宗箏、増田宗節、茶木宗喜 、牧 宗洋、ロベルト・アウグスト・ネーベス
・ブロンズ功労賞(4名)
  浜岡・ダーシ―・宗光、坂野宗蘭、尾形宗俊、松藤宗光

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シルバー表彰ブロンズ表彰

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武田宗知氏謝辞

・第三部:記念講演
  続く記念講演では大宗匠が登壇。「みんな一緒に平和を!!」の演題のもと、宗教や身分の格差がない茶道本来の精神を語り、「一碗からピースフルネスを」の理念を分かりやすく説かれました。
  大宗匠はブラジルの旧宗主国であるポルトガルのイエズス会の宣教師が日本で茶会に参加した時の記録が、ジョアン・ロドリゲスの『日本教会史』に多く記述されていることを紹介。「茶室内には宗教の隔たりは存在しません。そこでは、人々が一体となれます。心を清らかにし、無心で相手を思いやる気持ちは、必ずや世界を平和にします。多くの方が裏千家茶道を学ぶブラジルが、世界平和に大きな役割を果たされることを期待します」と結ばれました。

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記念講演

  講演に続いて、茶道デモンストレーションが行われ、大宗匠解説のもと、白波瀬宗幸裏千家今日庵業躰が長板薄茶点前の実技指導を行いました。ブラジル協会会員がポルトガル語で通訳を行い、参加した一般市民には茶道の理解を深める触れる貴重な機会となりました。

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茶道デモンストレーション

・記念茶会
  大会最終日の31日(日)、午前10時からグランド・ハイアット・サンパウロにおいて記念茶会が開催。ブラジルのみならず世界各地の趣向を凝らした席が設けられました。茶会は午後4時まで行われ、終日人が途切れず500名を超える方々を迎え、大変な好評を博していました。

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今日庵席

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ブラジル席

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北米総局席

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中南米席

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アマゾン席

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学校茶道席 香煎席

・サヨナラパーティー
  31日夕刻からは市内レストラン・シュラスカリアにおいてサヨナラパーティが開催。サンバチームの余興もあり、大変な盛り上がりを見せる中、世界大会の縁で集った同門社中は最後のひとときまで大会を楽しみました。
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