千 宗室家元、ポルトガルを訪問
〜日本・ポルトガル修好条約締結150周年記念して茶道行事を開催〜


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国立アズレージョ美術館


  千 宗室家元夫妻、千 万紀子さん、伊住公一朗氏、大谷裕巳淡交会理事は、7月20日から28日までポルトガル共和国を訪問され、一連の茶道行事に取り組まれました。この度の訪問は、本年が日本・ポルトガル修好条約締結150周年にあたることから、三輪昭駐ポルトガル日本国特命全権大使より裏千家に茶道を通じての文化交流行事の実施を要請、家元がこれに応えて実現したものです。

  21日、前日夜遅くリスボンに到着された家元は、午後4時から最初の行事「茶道ワークショップ」に臨まれました。ワークショップは、次代を担うこどもたちに茶道に接する機会をとの家元の発案により実施されたもので、リスボンの日本人学校補習校の生徒、日本語コースを受講しているポルトガル人学生を中心に保護者、教師も加えて60余名が参加しました。会場となった国立アズレージョ美術館のマリア・マトス館長の挨拶、新井辰夫公使の挨拶の後、家元が茶道について簡潔に説明され、続いて茶道デモンストレーションとなりました。デモンストレーションでは伊住氏が亭主、白波瀬宗幸業躰が正客、万紀子さんが次客を務めました。
  その後の呈茶体験で、初めて抹茶を見る子ども達も少なくなく、興味津々で和菓子と一碗を口にしました。

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  引き続き、DVD「お茶会に招かれて」を全員で視聴し、点茶体験となりました。体験では宗家方が各グループを回って丁寧に点前を指導、そしてパリ出張所、ロンドン出張所所属の14名の有志が加わり日本文化の理解を深めるために実施された1時間半のプログラムは充実の内に終了しました。

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  同日、午後6時半からは招待者、一般参加者を対象に家元の茶道講演が行なわれました。
  日本大使館及び美術館が日本語や文化を学ぶ学生、研究者、日系人を中心に広報を行っており、講演開始時には会場は満席となるほどの盛況ぶり。講演会では、冒頭、三輪大使が挨拶に続いて家元を紹介。家元は、約150名の聴衆を前に、遣唐使から始まった喫茶の習慣から利休居士に至までの茶道の歴史をわかりやすく話され、その後の茶道デモンストレーションでは自ら解説もされました。
  デモンストレーションでは万紀子さんが亭主、家元夫人が正客、次客を伊住氏が務めました。

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マリア・マトス館長三輪昭大使


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  講演・茶道デモンストレーションの終了後には呈茶の時間を設け、来場者一人ひとりに一碗が呈されました。

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  翌22日、大使館招待によるポルトガルの要人を対象とした茶会が催され、ポルトガル王朝の末裔であるブラガンサ卿はじめ13名が出席。ゲストの中にはゴメス海軍統合参謀長、コスタポルトガル日本友好議員連盟会長、また女子マラソンランナーとして著名なロザ・モタ氏の姿もありました。

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  呈茶の後には、ブラガンサ卿自ら茶筅を振って点てられたお茶を家元が喫する一場面もあり、会場内は和気藹々とした雰囲気に包まれました。

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現地の新聞ディアリオ・デ・ノーティシアシュ(Diário de Notícias)では見開きで報道


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