千 玄室大宗匠 中国を訪問






  鵬雲斎千玄室大宗匠は3月12日より19日迄訪中され、天津商業大学裏千家茶道短期大学の卒業式に臨まれたほか、天津外国語大学茶室披き、同大学創立45周年記念講演会、また北京では李長春常務委員との会見など多数の行事に出席されました。


◇天津商業大学裏千家茶道短期大学第13期卒業式
 天津外国語大学「風韻庵」茶室披き祝賀会


  千 玄室学長出席の下、3月15日天津商業大学裏千家茶道短期大学日中文化学科卒業式並びに1年留学コース修了式が行われました。詳しくは裏千家茶道短期大学のホームページでお知らせします。


◇千 玄室大宗匠に天津外国語大学名誉教授授与
 天津外国語大学創立45周年記念講演会


  3月15日、天津外国語大学逸夫楼ホールにおいて同大学創立45周年記念講演会が開催されました。
  来賓が紹介された後、修剛学長は「栄西が茶を伝え千利休が日本文化を代表する文化体系として発足させた茶道は日本の心となった。和敬清寂は人類一般の平和思想として世界でも高く評価される尊い理念となり、それを世界、中国に広めたのは千 玄室大宗匠を代表とする裏千家です。大宗匠のお話にあるように『中日の若人がもっと交流し、揚子江の如く一体となって世界中を流れてほしい』。茶室「風韻庵」の設立はこの理念を実現し両国の青年の文化交流を促進する上で重要な意義を持ち、中日の友好交流に大きく寄与するものです」と挨拶。
  続いてはるばる北京より出席の日本国大使館山田重夫公使は「日中は一衣帯水、2千年の交流の歴史があり、沢山の共通点もあるがお互い独自の文化、社会を作り上げてきた。日中関係を発展的に安定させる為、次世代を担う青少年の交流を促進しなければならない。中国で生まれ、日本で育った茶道こそ日本特有の文化を理解する上で相応しいものである。」と挨拶されました。



山田重夫公使


挨拶される修剛学長名誉教授証書授与


  講演の冒頭、李運博日本語学院院長より大宗匠のプロフィールが紹介され、その功績を称えて修剛学長より名誉教授の証書が授与されました。

  大宗匠は「茶の文化」をテーマに講演され、天津市関係者、学生、大学関係者約500名が聴講しました。
  講演の中で大宗匠は日中の若者が更に交流するためには相手の国の言葉を話すことが大切でその意味で外国語学院は重要な拠点となる。「風韻庵」に象徴される風の音、日本と中国の風がこの茶室に集まってくる場となることを願われ、さらに1997年に初めてケ小平閣下にお茶を呈した際に「こんなに美味しいお茶は初めてです。是非中国の若者に日本の茶道を教えてください」と言われたエピソードも交え、茶道の精神、和敬清寂が人間生活の根本になれば皆が幸せになれる、と説かれました。

  講演に続く茶道デモンストレーションでは町田宗隆業躰が点前を、戸田宗寛講師が半東を務めました。




◇天津外国語大学茶室「風韻庵」茶室披き

  講演会に続いて、大宗匠は天津外国語大学内「風韻庵」の茶室披きに臨まれました。
  この茶室は同大学の創立45周年記念事業の一つであり、茶室建設にあたっては裏千家が監修協力をしたものです。
  同大学は中国に8つある外国語大学のひとつであり、約12,000名の学生のうち日本語学科には1,200名余りが在籍しています。
  茶室披きにあたり、修剛天津外国語大学学長より大宗匠に謝辞が述べられた後、大宗匠は「この茶室が平和の発信地となるように」と挨拶をされました。続いて大宗匠、修剛学長、李運博日本語学院院長、劉書翰天津商業大学学長、山田重夫公使によって除幕式が行なわれました。続く披露茶会には来賓他、大宗匠の講演を聴講した学生らも駆けつけ、盛況の内に終了となりました。




◇中国文化部主催昼食会に出席

  3月16日、大宗匠は天津から北京へ移動され、早々に趙少華中国文化部副部長からの昼食会に招待を受けられました。趙少華副部長は大宗匠が日中文化交流に果たしてこられた役割を良く存じ上げていると話され、大宗匠も中国の皆さんの友情と支援に感謝していると応えられました。また副部長は近日中の来日を約束され和やかな昼食会となりました。


趙少華副部長と宮本雄二大使表敬


◇在中国日本国大使館表敬

  3月16日午後、大宗匠は在中国日本国大使館へ宮本雄二大使を表敬訪問されました。


◇中国文化部副部長、中国芸術研究院院長 王文章氏と会見

  大宗匠が「政治経済は変化するが文化は変化がない。これからも文化交流にご協力を」と要請されると、王副部長は文化交流には大宗匠はじめ裏千家のような民間団体の協力が不可欠として文化部も協力を惜しまないとの心強い会見となりました。




◇大宗匠主催昼食会

  3月18日、大宗匠主催の昼食会が長富宮飯店にて開催され、宋健中日友好協会会長はじめ、中国人民対外友好協会並びに裏千家淡交会北京同好会の役員方が招待され、和やかな交流の場となりました。


宋健会長と歓談される大宗匠


◇中国共産党中央政治局 李長春常務委員と会見

  3月18日夕刻、大宗匠は人民大会堂にて李長春常務委員と会見されました。
 李常務委員は昨年来日の折に大宗匠より一碗を呈された経験があり、茶文化を通じての文化交流に理解を示されています。
  大宗匠は今回も一碗を呈され、李常務委員が一口飲まれた後、同席の蔡武文化部長らにお茶碗を回すよう促され、これで皆仲間ですと語られました。李常務委員はこれこそ「一碗からピースフルネスを」の先生の理念です。日中両国の人民は2000年以上の友好の歴史を活用してお付き合いしていかなければならない」と応えられました。