千 容子家元夫人、トルコを訪問
中近東文化センター・アナトリア考古学研究所落成式に出席




  東洋文化と西洋文化の接点の地とされる中近東のトルコ。同国にこの度、財団法人中近東文化センター(東京三鷹市)の付属機関としてアナトリア考古学研究所が落成、爽やかな秋空となった9月30日、アナトリア考古学研究所建設募金委員会実行委員会委員長である三笠宮寛仁親王殿下、彬子女王殿下ご臨席のもと、研究所の落成式が行われ、千 容子家元夫人、伊住弘美様が出席されました。

  アナトリア考古学研究所はトルコの首都アンカラから約140キロのところにある「カマン・カレホユック遺跡」の隣接地に世界で初めて建設された本格的な研究所。計画では研究棟、展示棟、収納棟、住居棟の4棟からなり、この内第1期工事として研究棟、収納棟の2棟が完成したものです。


カマン・カレホユック遺跡 アナトリア考古学研究所研究棟


  落成式には、タユップ・エルドアン トルコ共和国首相をはじめ日土両国関係者合わせて約500名が出席して行われました。落成式で、千 容子家元夫人は国際ソロプチミスト京都を代表して現地チャウルカン初等教育学校メフメット・アタ校長に百科事典(トルコ語版)を、アナトリア考古学研究所大村幸弘所長に千 宗室家元からのお祝いの色紙を贈呈されました。また、同行の熊谷榮美子氏が初等教育学校生徒の代表に文具を渡されました。


千容子家元夫人から家元色紙の贈呈 落成式式典


  新築の研究棟内には特別に茶席が設えられ、茶会が催されました。茶会にはベシル・アタライ トルコ共和国国務大臣、シューレ・ソイサ同外務省海外公報・文化局長、セラハッティン・ハティプオール クルシェヒル県知事ら政府高官を多数含めたトルコ側招待客を中心に250人を超える方々に一碗のお茶が振舞われました。トルコ側招待客の多くは日本の茶道を初めて見る人がほとんどとあって、入席を希望する方は後の絶えることがなく、興味、関心が高いことをうかがわせました。


来賓として出席の音楽家・日野皓正氏



国旗にちなんだ菓子




  東西文明の接点であるアナトリア高原のほぼ真ん中に位置し、その重層する文化に世界史を読み取れる世界でも貴重なカマン・カレホユック遺跡。発掘調査が始まってから20年を迎え、今後はアナトリア考古学研究所を基盤に日本、トルコそして欧米の研究者とともに世界史の未解明部分の解明が期待されています。