大宗匠 仙台を訪問


  4月28日(日)、千 玄室大宗匠は仙台市を訪問され、東日本大震災で被害を受けた茶室「仙庵」と「茂ヶ崎庵」の修復記念として同市が主催する諸行事に臨まれました。

◇ 「仙庵」「茂ケ崎庵」修復工事完了記念講演会
  午後3時より仙台市内の太白区文化センター「楽楽楽ホール」において「立ち上がれ東北『いろいろな想い出』」と題する記念講演会が開催されました。





奥山市長挨拶


  開会にあたり奥山恵美子仙台市長が大宗匠の紹介も兼ねて挨拶をされました。
  講演の中で、大宗匠は、「東日本大震災では人間の非力さ、もどかしさを痛感させられました。被災された方々に対して援助など軽々に語れませんが、少しでもお力になれるよう真剣に考えていかねばなりません」と説かれ、日本のみならず広く海外へ茶道普及を続けてこられた様々な経験をふまえ、茶道の“仕え合い”の精神を分かりやすく語られました。




◇ 鵬雲斎千玄室大宗匠を囲む夕食会
  午後5時30分より仙台市内の東洋館において、宮城支部主催にて開催。鎌田文惠支部長の歓迎の挨拶、その後、奥山仙台市長、伊達家18代当主 伊達泰宗氏の挨拶に続き、藤本 章 仙台市副市長の乾杯の発声により会食がスタートしました。参加者は大宗匠を囲んで和やかに懇親を深めました。




◇ 「仙庵」「茂ヶ崎庵」修復完了お披露目式
  翌29日9時より、大年寺山公園において仙台市の主催にて執り行われました。
  茶室「仙庵」は、仙台出身で裏千家14代家元夫人の嘉代子様が昭和44年に仙台市名誉市民に推戴されたことを記念して仙台市に寄付されたもので、宮城における茶道文化発信の中心的な存在となっています。この度の東日本大震災で内壁の一部が落下する被害を受けました。また、「茂ヶ崎庵」は、明治末期の木造2階建の建物で、昭和42年に当地に移築、茶会をはじめとする文化活動に利用されてきました。震災で屋根や壁面に大きな被害を受けました。


奥山市長挨拶 テープカット


  式では、まず司会より修復経過が報告された後、奥山市長が挨拶され修復に際しての裏千家の協力に謝意が述べられました。
  その後、大宗匠、奥山市長に地元の来賓も加わり、テープカットが行われました。
  記念の茶席は、今日庵が席主を務める濃茶席が仙庵に、宮城支部による薄茶席が茂ヶ崎庵に設けられ、参加者がこの度の修復を共に喜び合う機会となりました。


濃茶席(仙庵) 薄茶席(茂ヶ崎庵)