千 玄室大宗匠「北海道・函館 平和の祈り」




  終戦65年となる本年8月23・24日の両日、北海道の流山温泉において戦没者の慰霊と平和の祈りを捧げる「北海道・函館 平和の祈り」(主催:淡交会函館支部・北海道流塾・JR北海道文化財団)が開催され、千 玄室大宗匠が戦没者の慰霊と世界平和を祈念し、お茶湯を厳修されるとともに、記念講演会をはじめとする諸行事に臨まれました。
  本行事には大宗匠と同期の海軍航空隊14期生で彫刻家の流政之氏、坂本眞一北海道地区長、加藤健太郎函館支部長、小池明夫JR北海道文化財団理事長、北海道流塾関係者、土佐琵琶奏者の黒田月水氏、『千の風になって』で著名な作詞作曲家の新井満氏ご夫妻をはじめ約90名が参加しました。


◇「平和の祈り」記念講演会
  23日午後4時30分より函館大沼プリンスホテルにおいて「平和の祈り」記念講演会が開催。大宗匠は「亡くなった仲間の思いを受け継いで、今日まで生きてきました。“一碗からピースフルネスを”の理念のもと、戦争のない世界と恒久平和のため、今後も力を尽くしていきたいと思います」と語りかけられました。




流氏(写真左) 新井氏(写真右)


◇懇親会
  講演会後、同会場において午後5時30分より懇親会が行われ、坂本地区長、七飯町長の中宮安一氏、新井氏から挨拶。新井氏による『千の風になって』の歌唱、加藤支部長による乾杯の発声、黒田氏による琵琶演奏へと続きました。参加者は大宗匠を囲んで和やかに懇親を深め小池理事長の挨拶でお開きとなりました。


坂本地区長挨拶 新井氏による歌唱『千の風になって』


加藤支部長


◇「平和の祈り」お茶湯
  24日、明け方からの雨もやみ、晴れ間に駒ケ岳を望む中、午前9時30分より流山公園内において流氏が制作した慰霊碑彫刻「もどり雲」前で、同じく流氏が本行事のために制作した「石の点茶盤」を用いて大宗匠が「平和の祈り」お茶湯を厳修。続いて、坂本地区長がろうそくと線香に火を灯され、流氏がお菓子を供えられ、黒田氏による琵琶演奏が行われました。大宗匠とともに約140名の参列者は戦没者の慰霊と恒久平和を祈りました。


坂本地区長挨拶


「平和の祈り」お茶湯


黒田氏による琵琶演奏 東大沼小学校児童による合唱


  大宗匠は「本日、皆さまご参列のもと、戦没者にお祈りの一碗を捧げることができたことは誠に意義深いことと存じます。恒久的な平和が世界にもたらされることを祈っております」と語りかけられました。その後、参加者代表から献花が行なわれ、七飯町立東大沼小学校児童14名が『千の風になって』を合唱しました。




  また、流山公園内には函館支部による薄茶席が設けられ、参加者は一碗を手に平和への思いを深めました。


薄茶席(函館支部担当・写真右から新井氏、中宮市長)