千 玄室大宗匠、中国芸術研究院芸術顧問に就任

四半世紀に亘る日中文化交流への貢献を高く評価され
外国人として初の就任


王 文章常務副院長より大宗匠に芸術顧問の証書が授与


  千 玄室大宗匠は外国人として初めて中国芸術研究院の芸術顧問に就任されました。

  芸術研究院は昭和26年に設立され、劇曲、音楽、美術、舞踊等、10数箇所の専門研究所を擁し、中国のみならず世界各国の文化・芸術を研究するとともに研究者の養成も行っており、大学院、資料館、文化芸術出版社等も併設する中国国務院文化部に所属する中国で唯一の総合的な文化・芸術の研究機関。

  芸術顧問は、これまで外国人のみならず中国人も未だ就いたことのないポストで、千 玄室大宗匠が初めての就任となります。名誉職的な色彩の強い顧問と異なり、副院長クラスと同等の権限を有し、同研究院の運営にも関与する重要なポストです。

  大宗匠の顧問就任の理由は昭和54年に、第1回日中友好裏千家文化交流団が訪中、千 玄室大宗匠がケ 小平副総理と会見されて以来、100回を超える訪中団の派遣、天津商科大学裏千家茶道短期大学の設立など茶道を通じての日中両国の文化交流への貢献が高く評価されたこと、また日本文化研究においては「茶道」抜きには考えられないとの認識によるもので、王 文章芸術院常務副院長(院長は空席)自身が平成14年10月下旬に来日し、大宗匠に要請されました。

  就任式は3月3日午後3時より北京の中国芸術研究院に約100名の内外関係者が参集して催され、大宗匠は多忙な日程の最中、3月2日に訪中、就任式に臨まれました。
  就任式では王 文章常務副院長の挨拶に続き、千 玄室大宗匠に芸術顧問の証書が授与されました。謝辞の中で大宗匠は「これを契機に顧問として恥ずかしくないよう中国文化を研究したい、今後も日本の文化を紹介することに協力し、芸術研究院に日本や世界のお茶を研究する部門を設けたい。わくわくしています」と一層の文化交流への抱負を述べられました。その後、劉 徳有対外文化交流協会副会長(元中国文化部副部長)の祝辞が述べられました。

  研究院では大宗匠の芸術顧問就任後の最初の事業として大宗匠の著書『茶の心』を中国語に翻訳出版することが決定しています。

就任式で挨拶される大宗匠 中国芸術研究院

            就任式の夜、大宗匠は芸術顧問就任と昨年の中国文化交流貢献賞受賞
            を祝う祝賀宴を開催。 関係者120人が出席されました