7月5日、宗家三大忌のひとつ、精中・圓能・無限忌が宗家において営まれ、国内外より約340名の同門社中が参列しました。
11代玄々斎精中居士(1810〜1877)は幕末から明治の変革期にあって、新しい時代に即した茶道の在り方を示されました。明治5年、京都博覧会に際しては椅子と机を用いる立礼式の点前を考案。諸外国の来客から大変な好評を博しました。
13代圓能斎鉄中居士(1872〜1924)は、伝統文化が軽視される時代風潮の中で、茶道を学校教育の場に取り入れることに尽くされ、今日の「学校茶道」の礎を築かれました。また、「今日庵月報」を創刊するなど、書籍を通じた茶道普及にもつとめられました。
14代無限斎碩叟居士(1893〜1964)は、裏千家茶道の点前統一と一層の発展を目的に1940年に淡交会を設立。1949年には財団法人今日庵を創設され、今日の裏千家の組織を確立されました。また、全国の神社仏閣にて献茶を奉仕されたほか、戦後には海外への茶道普及と文化交流のため国際茶道文化協会を設立されるなど、精力的な活動を続けられました。
午前8時35分、咄々斎において開式が告げられ、千 宗室家元が炭手前に続いてお茶湯の儀を厳修。千 玄室大宗匠が床前に一碗を捧げられ、参列者は三宗匠の遺徳を偲んで静かに合掌しました。 |