平成20年戊子歳 初釜式

新年の清々しい一碗を交わして






  平成20年戊子歳の初釜式が京都に続いて、1月16日より新宿区市谷加賀町の裏千家東京道場において始まりました。
  式場の茶室・咄々斎の床には、嘉例の正親町天皇御宸翰が掛かり、長く垂らされた結柳に神鈴、利休端ノ坊の花入には曙椿と鶯神楽が清々しく入れられ、賀客方を迎えました。

  初日午前9時30分からの第一席には、福田康夫内閣総理大臣、森喜朗元内閣総理大臣、安倍晋三前内閣総理大臣、町村信孝内閣官房長官、渡海紀三朗文部科学大臣、上川陽子少子化・男女共同参画担当大臣、多数の衆参両院議員、ウシオ電機株式会社代表取締役会長の牛尾治朗氏はじめ今日庵老分方約50人が参席。
  千 宗室家元が「福禄寿三ツ重茶碗」に練られた一碗を、千 玄室大宗匠の手で福田首相へ。福田首相はゆったりと服され、席中は馥郁とした茶の香りに満たされました。
  その後、宗家方が揃われ、家元が「新年を寿ぐ初釜式にお越しいただき有難うございます。本年もさらに茶の湯のよさを広めていく所存です」と年頭の挨拶をされました。




  また、翔鳳の間に設けられた祝膳席では、千 容子家元夫人はじめ夫人方がおもてなし。本年の安寧を祈って杯が交わされました。




  また、昼には小泉純一郎元内閣総理大臣が、午後2時からの席には河野洋平衆議院議長、江田五月参議院議長が席入り、家元の点じられた一碗を和やかに順服されました。家元が「ねじれ国会といわれますが、それぞれの糸をうまく織りなすことができれば」と話されると、席中は和やかな雰囲気に包まれました。






  道場2階には、薄茶席と道具が展観されたほか、茶道会館2階にも立礼席が設けられました。
  なお、東京での初釜式は1月20日まで催され、東日本の同門社中約3000人が参席します。