平成17年乙酉歳 宗家初釜式

新春の柔らかな陽光に包まれ、厳かに




兜門注連飾り 利休端之坊の花入に曙椿と鶯神楽


  平成17年乙酉歳の宗家初釜式が1月7日より始まりました。
  式場の咄々斎は、床に正親町天皇御宸翰の懐紙、青竹に結柳、神鈴という嘉例のしつらいで賀客を迎えました。

  初日の第一席には、千 宗左表千家家元、山田啓二京都府知事、山田宗偏宗偏流家元、桝本頼兼京都市長、稲盛和夫京都商工会議所名誉会頭、衆議院議員の伊吹文明氏、池坊保子氏、前原誠司氏、山井和則氏、田中英夫氏、泉健太氏、宇野治氏、参議院議員の福山哲郎氏、松井孝治氏、山下英利氏、田坂幾太京都府議会議長、田中セツ子京都市議会議長、池坊由紀華道家元池坊次期家元、九條道弘平安神宮宮司、熊谷信昭兵庫県立大学学長らが席入り。

  千 宗室家元が炭手前の後、恒例の菓子・菱葩が供され、家元が「福禄寿 三ツ重茶碗」に練られた濃茶を、千 玄室大宗匠が取り次がれ、正客の千 宗左家元より順服。
  道具には、家元の乙酉歳初削り茶杓・歌銘「行脚」、古芦屋芦鷺地紋の名物釜など寿ぎと干支とりにちなんだ取り合わせ。賀客らは、年初めの清々しい一碗を堪能する和やかなお席となりました。




家元が練られた一碗を大宗匠の手で正客の千宗左家元へ


  その後、宗家方が揃われ、家元が新年の挨拶をされるとともに、「人心が荒廃しているといわれる世の中に、人を思いやりお互いが譲り合う心を持った茶道が少しでも潤いとなるよう、本年も一層努力してまいります」と述べられました。山田知事が代表して「今日庵の発展と皆々様のご多幸とご健勝をお祈りします」との賀詞を述べられました。


もてなされる家元夫人


  また、茶道会館2階広間に祝膳席が設けられ、千 容子家元夫人はじめ夫人方がおもてなし。さらに、薄茶席が、茶道会館1階と裏千家学園茶室に懸けられ、宗家周辺は終日、年始の華やいだ雰囲気が漂っていました。





  宗家初釜式は13日までの7日間に行政・経済界・諸団体代表者、寺社関係者、西日本の裏千家の修道者・教授方ら約3100人が参席。
  さらに、16〜20日には、会場を裏千家東京道場に移して、小泉純一郎首相はじめ、各界著名士、東日本の同門社中ら、5日間で約2800人を迎えます。