千 玄室大宗匠、NHK文化センター京都教室にて講演


  令和3年6月27日(日)、NHK文化センター京都教室の開設35周年を記念して、千 玄室大宗匠が「歴史と伝統〜茶のこころと日本〜」と題して講演をされました。
  同センター京都教室は、昭和61年に開設され、平成24年4月の施設移転に際して開かれたオープニング講座には大宗匠が登壇されています。このたびの講演は、もともと昨年6月の実施予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により延期され、一年越しの開催となりました。



  会場のTKP京都四条烏丸カンファレンスセンター(京都市下京区)では万全の感染症対策が講じられ、座席定員の3分の2にあたる80名が受講し、135名がオンラインで視聴参加しました。



  大宗匠は、はじめに日本におけるお茶の受容と喫茶の歴史について概説され、自身の体験談を交えながら茶の湯の精神性について語られました。次に、昨今のコロナ禍における国の対応や東京オリンピック・パラリンピック開催を控えた世の中の動向について触れ、「今の日本は色んな意味において不徹底な国になってしまっています。これは戦後の日本が固有の文化や歴史を軽んじ、社会と教育の仕組みを変えてしまった結果です」とされ、「互いを敬い、いたわり合う茶の湯の精神は日常の中でも生かされるものです。和やかな気持ちで一碗のお茶を勧め合い、一人ひとりの足元から平和を築いていきましょう。京都の皆さん方の理解と行動力に期待しています」と締めくくられました。