大宗匠、日本おもてなし学会総会にて基調講演


  平成28年11月19日(土)、京都市にある平安女学院大学京都キャンパスにおいて一般社団法人日本おもてなし学会の総会が開催され、同学会最高顧問である千 玄室大宗匠が「もてなしでないもてなし」と題して基調講演をされました。




  同学会会長で平安女学院の山岡景一郎 学長による紹介の後、登壇された大宗匠は、古典から窺える“情”の世界に触れ「近年、何でも簡単に手に入る世の中になり、贅沢に慣れ過ぎています。そんな時代に生きる人たちに真の“もてなし”がわかるでしょうか。観光のPRにおいても“おもてなし”とよく耳にしますが、そもそも“おもてなし”とは宣伝するものではなく心を込め施すこと。茶道は、点前作法が難しいと思われがちですが、まずはお客様を思い、心を込めてお茶を点てる。いただく方はその心に感じ入り、相客に心して“いかがですか”、“お先に”と勧めあう言葉の情けを持ち、正面を避けて半歩下がる気持ちになる。互いが謙虚になり己を顧みる心を持てば、争い事の無い平和な世界になります。表面だけではなく真のおもてなしを、この学会において学んでください」と結ばれました。