大宗匠、堺観光ボランティア協会20周年にて講演


  平成28年3月27日(日)、堺市にあるホテル・アゴーラ リージェンシー堺においてNPO法人 堺観光ボランティア協会の創立20周年記念特別公開講演会が開催され、千 玄室大宗匠が「茶の流れ」と題した講演をされました。




  昨春、堺市に文化観光施設「さかい利晶の杜」がオープンし、大宗匠は同施設の「千利休茶の湯館」名誉館長に就任されました。同施設では堺観光ボランティア協会の会員が連日、ボランティアで解説等を務めています。




  今回の特別講演会のオープニングには、堺観光ボランティア協会が制作した紙芝居がスクリーンで上映され、千 利休居士の伝記が紹介されました。川上 浩 理事長による主催者挨拶、竹山修身 堺市長、北側一雄 元国土交通大臣(衆議院議員)による来賓祝辞の後、壇上にて淡交会堺支部によるデモンストレーションが披露され、大宗匠をはじめ竹山市長、北側元大臣、川上理事長へ一碗が呈されました。
  その後の講演会で大宗匠は、利休居士から連綿と繋がる裏千家茶道の歴史や禅宗と茶道の関わりについて解説されながら、「世間では口々に“もてなし、もてなし”と言いますが、贅沢なものを提供することが“もてなし”ではありません。真の“もてなし”とは、言葉には出さず相手を心から思い、ひと手間を惜しまず、気働きをすることです。一服のお茶は薬用の効能のみならず、精神的な心の安定をもたらします。一碗のお茶は、相手の心、ひいては自身の心も穏やかにする意味で大きな役割を果たしてくれます」と結ばれました。

  また、講演会の前後には淡交会堺支部による呈茶席が設けられ、講演会参加者は一碗を楽しみました。