国際高等研究所創設30周年記念フォーラム講演


  平成26年8月21日(木)、グランフロント大阪ナレッジキャピタル内にあるコングレコンベンションセンターにおいて、一般財団法人国際高等研究所創設30周年記念フォーラムが開催され、千 玄室大宗匠が「日本人の精神力とは」と題して基調講演をされました。




  国際高等研究所は「人類の未来と幸福のために何を研究するかを研究する」ことを基本理念とする学術研究機関として、故・奥田東 元京都大学総長を発起人として創設。研究所内にある茶室「雅松庵」は、そこに集う学者の憩いの場として、また海外から訪れた学者に“日本の心・精神を一服のお茶をもって味わっていただきたい”との願いから、1993年に裏千家より寄贈されました。

  フォーラムでは、立石義雄理事長による挨拶に続いて、大宗匠がご登壇。
「人の幸せというものは、仕え合うこと。自分のことだけを考えるのではなく、他人を思って手を差し伸べてこそ、一つ一つの行いは小さくともそれが積み重なり、やがて世の中が幸福に包まれていくものです。日本人の心とは“(なさけ)”であり、その心を磨くために日本には幾つかの“道”がありますが、“茶道”はその最たるもの。一碗のお茶を『如何ですか』、『お先に』と勧め合うことで、自然と相手を思う“和の心”を創り上げていきます。どうぞ茶道を日本人の精神の一番大事な教えとして習い、たしなんで頂きたい」と、聴講者に熱心に語りかけられました。
そして、「未来を語る前に今を生きる。他の人の幸せを願い仕え合うことで真の幸福が生まれ、明るい未来が見えてくるのです」と結ばれました。

  講演前には、本間宗寿氏(京都南支部)と社中による呈茶席が設けられ、一碗のお茶が聴講者に振る舞われました。