大宗匠、薬師寺21世紀まほろば塾にて講演


  平成26年6月15日(日)、薬師寺玄弉(げんじょう)三蔵(さんぞう)院伽藍にて「第50回月例奈良まほろば塾」が開催され、千 玄室大宗匠が「和の心」と題して講演をされました。「まほろば塾」は、“物で栄えて心で滅びる”ことを憂い、“心のまほろば”を説かれた故高田好胤管主の精神を引き継ぎ、平成16年に開塾。本年は開塾10周年並びに高田和上の17回忌に当たり、「高田好胤和上を偲んで」のテーマのもと開催されました。

  大宗匠は若い頃、高田和上と宗教観について大いに語り合った思い出を振り返り、「私は禅宗の家に生まれながら、キリスト教の学校に通っておりましたので、あらゆる宗教に対し抵抗なく献茶をご奉仕してまいりました。茶道とは宗教を超えた実践の場。一碗を勧めあう謙虚な心でいれば、争いごとなど起こりません。互いに手をつなぎ、そして差し伸べることが、高田和上が唱えられた“まほろば”の信念を世界に伝えることに繋がっていきます。どうぞ、美しい心で、大らかな心で“まほろば”の精神を守り伝えていってください」と結ばれました。

  講演後には、薬師寺と所縁のある細川護煕元首相ご令室でスペシャルオリンピックス日本名誉会長の細川佳代子氏のお話、その後、人間国宝(人形浄瑠璃文楽大夫)の竹本住大夫氏・細川氏・薬師寺管主山田法胤氏による鼎談が行われ、一千名を超える来場者が高田和上を偲ぶ一日となりました。