千 玄室大宗匠 滋賀県平和祈念館開館記念講演




  5月20日(日)、滋賀県平和祈念館に隣接する愛東コミュニティーセンターにおいて、滋賀県平和祈念館開館記念講演が開催され、千 玄室大宗匠が「まことの平和は」と題して講演されました。
  滋賀県平和祈念館は戦争の惨禍や当時を伝える史料が散逸しつつある中で、戦争体験を語り継ぎ、平和を願う心を育む施設として県による20年に及ぶ史料・体験談の収集を経て開館しました。




  大宗匠は自身の特別攻撃隊員としての戦争体験などに触れられ、「出撃前、口では冗談を言っていた戦友は手が震え、煙草に火をつけることができませんでした。また、同乗するはずの少年兵を直前になって無理やり降ろし、“俺の代わりに生きてくれ”といって出撃していった戦友もおりました」と話されました。また、「諸行無常の中で、愛する家族のために散っていった多くの若者は今、日本をどのように眺めているのでしょうか。今も各地で(いさか)いや争いが続いています。地球に住まわせていただいていることに感謝の心を持ち、過ごしていただければと存じます」と語りかけられる大宗匠の言葉に、400名の参加者は静かに聞き入りました。

  会場には講演に先立ち滋賀支部による呈茶席が設けられ、参加者に一碗が呈されました。