千 玄室大宗匠、NHKカルチャー京都教室移転記念
オープニング講座にて講演




  4月1日(日)、京都市のNHK文化センター京都教室の四条SETビルへの移転にともないオープニング講座が開講され、千 玄室大宗匠が「茶の心と日本の復興」と題して講演され、200名の参加者がつどいました。




  午前10時、講演に立たれた大宗匠は「3月11日の震災後、被災地に参りましたが、被害の余りの大きさに本当にお慰めする言葉も出ませんでした。とにかくも持参しましたお湯とお茶で被災者の方に一碗を差し上げますと、じっと緑のお茶を見つめ、"ありがとうございます"といって召し上がっていただけました」と当時の状況を話され、仏教や神道の教えとともに培われてきた日本人の精神性を紹介され、「自分自身が自分で安らぎをもち、相手があっての自分であると自戒してこそ、本当に心から手を差し伸べることができるのではないでしょうか」と結ばれました。大宗匠の実感のこもった言葉に多くの参加者は静かに聞き入りました。

  また、会場には金澤宗維今日庵業躰による茶席も設けられ、参加者に一碗が呈されました。初めてお茶に触れる方も多く、大宗匠の言葉を思いつつ、陽春の趣向を楽しまれました。