大宗匠、13代円能斎宗匠にゆかりの三田市において講演




  12月13日、千 玄室大宗匠は裏千家13代円能斎宗匠の夫人・綱子様の故郷である兵庫県三田市において講演をされました。
  この講演会は、「日本の伝統文化を考える会」(代表・浅井祐子学校法人湊川相野学園理事長、事務局長・田中一良三田市議会議員)が主催。三田市と同市教育委員会が後援し、地元三田の魅力を再発見するとともに、日本人としての誇りを取り戻し、次の世代に「和の心」を伝えていく機会として開催されたものです。三田市民のほか市内の中高校生など約1000名が聴講しました。

  講演に先立ち、大宗匠は三田藩主九鬼家の墓所である曹洞宗心月院をご訪問、住職のご案内で墓前にて合掌されました。




  午後、会場の三田市総合文化センター「郷(さと)の音(ね)ホール」に到着された大宗匠は、地元淡交会会員とUIA(裏千家インターナショナルアソシエーション)近畿エリア会員有志による呈茶席に入られました。




  講演会では、主催者を代表して浅井祐子会長が挨拶。その後、来賓代表の竹内英昭三田市長が祝辞を述べられました。




  大宗匠は「和魂漢才の心 〜千家と三田の関係〜」と題し、裏千家と九鬼家とのかかわりや三田市とのご縁を端緒に、今秋のキューバ及びアブダビご訪問に触れられ、海外においても「思いやりの心」や「和の心」に代表される茶道精神が受容され注目を集めていることを紹介。また、日中韓の歴史的な関係と「和魂漢才」の意味するところや源氏物語への影響などに言及されました。大宗匠はこれからの日本を担う世代に向けて、夢を実現する努力の大切さと捨て身の行動力の必要性を強調され、「文化をもって未来を切り拓いて欲しい」と激励の言葉を贈り、講演を締めくくられました。

  講演後、大澤洋一三田市教育長が謝辞を述べられ、続いて、三田市の中学生と高校生の各代表が大宗匠に花束を贈呈しました。




講演を聴講した地元の中学生・高校生の代表からそれぞれ花束を贈呈


  閉会後、大宗匠は客席に降りられ、聴講者の拍手に手を挙げて応えられました。
会場となった「郷の音ホール」のそこかしこで、大宗匠を取り囲む人の輪が幾重にもかさなる行事となりました。