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第112号(令和2年11月16日配信)

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『じゅうななふくめ』 千 宗史
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(写真:明治神宮鎮座百年大祭 奉祝 裏千家献茶式−裏千家若宗匠格式奉告−にて)

  このたび裏千家今日庵十七代継承の格式を受け、若宗匠としての歩みを始めることと相成りました。身の引き締まる思いであるのと同時に、揺蕩っていた自分の人生の軸のようなものがやっと定まったかのような、ある種のすっきり感というものも抱いております。このような立場になりましたが未だひよっこ、これから学んでいかなければならぬことが沢山あり、日々精進を重ねていく所存です。
  未だこのような状況で、ライフスタイルの変化は勿論、茶の湯の新しいかたちも問われる時代となりました。弊害は残念なことですが、これをきっかけと捉えて前に進んで行くほかありません。皆様とお会いできる機会も減りましたが、新しい時代の可能性に向けて、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

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茶の湯トリビア
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  今回は茶事・茶会についての出題です。一般に、お茶を飲むだけの会を茶会、料理まで含む本格的な会を茶事と呼んでいます。
  出題は『茶道文化検定』問題集の2級・3級からです。

問1 茶席で炉が使われる時季は、一般的にいつからいつまでとされていますか。(3級)
@1月頃から6月頃まで
A7月頃から12月頃まで
B11月頃から4月頃まで
C5月頃から10月頃まで

問2 破(やつ)れ風炉などを使うごくわびた風情が喜ばれる茶事はどれですか。(2級)
@朝茶事
A跡見(あとみ)の茶事
B名残(なご)りの茶事
C臨時の茶事


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「茶の湯トリビア」解答と解説
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  問1 正解:B11月頃から4月頃まで
  炉の時季とは、床下に備え付けられた囲炉裏=「炉」に釜をかける時季のことで、11月頃から4月頃とされています。5月頃から10月頃までは風炉の時季で、風炉という道具を畳の上に置いて湯をわかし茶を点てます。

  問2 正解:B名残りの茶事
  前年の口切(11月)から使い始め、茶壷に残り少なくなった茶の名残りを惜しみつつ楽しむ、10月中頃から11月初めの風炉の時季にかけて行われる茶事のことです。道具類も新しいものは使わず控えめな道具組を心掛けます。

  ご不明な点は「茶道文化検定」の各級テキスト、および問題集をご覧ください。


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